赤ちゃんが生まれたとき、親が最初に贈る特別なプレゼント、それが名前です。フランスでも毎年、最新の名前トレンドが注目を集めていて、今年も2025年の予測ランキングが発表されました。
今年はどのような名前が人気を集めているのでしょうか。フランス文化の深さと多様性を反映した、興味深い名前のトレンドをご紹介します。
目次
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フランス人の名前の特徴
フランス人の名前は、その国の豊かな歴史と文化的多様性を色濃く反映しています。伝統的にはキリスト教由来の聖人の名前が多く使われてきましたが、現代ではキリスト以外に起源を持つ名前が増えてきています。
フランス人の名前に見られる特徴は以下のようなもの。
◯民族と言語の変遷
古代ローマ時代のラテン語、ケルト系のガリア語、ゲルマン系フランク族の言語、そして現代の国際的な言語まで、多くの言語の影響を受けている。
◯地域性
ブルターニュ地方のケルト系の名前、アルザス地方のゲルマン系の名前など、各地域の文化的アイデンティティが名前に反映されている。
ブルターニュ地方らしい名前は、男の子では「Yann(ヤン)」、女の子では「Enora(エノラ)」など。アルザス地方の特徴がある名前は、男の子は「Faustin(フォスタン)」、女の子は「Adélaïde(アデライド)」などがあるよ。
◯多文化民族
近年では、アラブ系、アフリカ系、アジア系など、移民文化の影響を受けた名前も増加。フランス社会の多様性が現れている。
移民が飛び抜けて多いパリ限定の名前ランキングだと、アラブ系に多い「モハメド」という名前がかなり上位にランクインしてる!
◯音の美しさへのこだわり
世界一美しい言語ともいわれるフランス語。その特有の流れるような音韻を重視し、発音しやすく響きの美しい名前が好まれる傾向がある。
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2025年の赤ちゃんの名付けランキング
女の子の名前 TOP 20

最新の予測によると、2025年の女の子の名前ランキングは以下の通り。
1&2位:Ambre(アンブル) / Louise(ルイーズ) (接戦により同率1位の可能性)
3位:Alba(アルバ)
4位:Jade(ジャド)
5位:Alma(アルマ)
6位:Emma(エマ)
7位:Rose(ローズ)
8位:Romy(ロミー)
9位:Eva(エヴァ)
10位:Alice(アリス)
11位:Anna(アナ)
12位:Mia(ミア)
13位:Lina(リナ)
14位:Léna(レナ)
15位:Inaya(イナヤ)
16位:Agathe(アガット)
17位:Giulia(ジュリア)
18位:Lou(ルゥ)
19位:Julia(ジュリア)
20位:Iris(イリス)
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男の子の名前 TOP 20
男の子の名前では、以下のランキングが予測されています。
1位:Gabriel(ガブリエル)
2位:Raphaël(ラファエル)
3位:Léo(レオ)
4位:Maël(マエル)
5位:Louis(ルイ)
6位:Noah(ノア)
7位:Adam(アダン)
8位:Jules(ジュル)
9位:Eden(エデン)
10位:Arthur(アルチュール)
11位:Isaac(イザック)
12位:Liam(リアム)
13位:Sacha(サシャ)
14位:Elio(エリオ)
15位:Naël(ナエル)
16位:Léon(レオン)
17位:Lucas(ルカ)
18位:Gabin(ギャバン)
19位:Mohamed(モハメド)
20位:Marceau(マルソー)
参考:ici
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ランキングからわかる名付けのトレンドは?

自然志向の高まり
2025年の名前トレンドでもっとも顕著なのは、自然に関連する名前の人気です。女の子では天然石を意味する「Ambre(琥珀)」「Jade(翡翠)」、花を意味する「Rose(薔薇)」「Iris(菖蒲)」が上位にランクインしています。この傾向は、環境意識の高まりや自然回帰への憧れを反映していると考えられます。
短く美しい音色を重視
現代の親たちは、1〜2音節で平均5文字程度の短い名前を好む傾向にあります。「Lou」「Eva」「Mia」「Léo」「Eden」など、覚えやすく国際的にも通用する短い名前が人気を集めています。これはグローバル化の影響と、現代的な名前の人気を表しています。
多文化性の受容
「Mohamed」「Isaac」「Noah」「Adam」など、さまざまな文化的背景を持つ名前がランキングに含まれていることは、フランス社会の多様性をよく示しています。特に男の子の名前で顕著で、これはフランスが多文化共生社会であることの証明ともいえますね。
レトロ・クラシックな名前が復活
興味深いのは、古典的な名前の復活です。「Marceau」「Léon」「Louis」「Jules」など、祖父母世代の名前が再び注目を集めています。これは伝統への回帰と、時代を超越した美しさの再評価を意味しています。
ブルターニュ文化の影響力
「Maël」「Naël」といったブルターニュ地方由来の名前の人気は、フランス国内での地域文化の再評価を示しています。これらの名前は、ケルト系の神秘的な響きを持ちながら、現代的な音韻の美しさも兼ね備えています。
「ia」音の流行
「Giulia」「Mia」「Julia」など、「ia」で終わる名前の人気が急上昇しています。この音韻は、イタリア語的な響きを持ちながら、フランス語にも自然に溶け込む国際性を備えています。
消えゆく名前たち
一方で、「Brigitte」「Corinne」「Dominique」(女性)、「Gérard」「Jean-Claude」「Thierry」(男性)など、かつて人気だった名前は2025年にはほぼ使われなくなると予測されています。これは社会の世代交代と価値観の変化を物語っています。
フランスの名前文化は、その国の歴史、地理、社会の多様性を映し出す鏡のような存在です。2025年のランキングは、自然への回帰、国際性の重視、伝統の再評価、そして多文化共生という現代フランス社会の特徴が現れていますね。