歴史と芸術の街・パリ。その中心に浮かぶ二つの小島がシテ島とサンルイ島です。観光ガイドブックには必ずといっていいほど登場するこの場所は、パリ観光には欠かせないエリア。
2024年末にはノートルダム大聖堂が再オープンし、世界中の注目が再びこの地に集まりました。再建に約5年をかけたこのパリの象徴は、今パリを訪れる人の「必訪の地」となっています。
一方で、観光客が集まる場所ほど気になるのは「治安」の問題。特に初めてパリを訪れる人にとっては、安心して歩けるエリアなのか、犯罪のリスクはどの程度なのか、ということを知っておくのは重要です。そこで今回は、シテ島とサンルイ島の雰囲気や治安状況を詳しくご紹介します。
目次
シテ島とサンルイ島は観光者にとってどんなエリア?

シテ島(Île de la Cité)は、パリ発祥の地ともいえる歴史的な島です。ノートルダム大聖堂やサント・シャペル、コンシェルジュリーといった中世から続く建造物は圧巻です。セーヌ川に囲まれ、石畳の小道を歩けば、過去と現在が交差するような独特の空気に包まれます。
2024年12月にはノートルダム大聖堂が火災からの復興を遂げ、堂々たるゴシック建築の美しさが甦りました。修復されたステンドグラスや屋根の装飾はまさに壮観。世界中の観光客がこの大聖堂を一目見ようと、シテ島を訪れています。しばらくはこのノートルダム大聖堂ブームが続くことが予想されます。


一方、隣のサンルイ島(Île Saint-Louis)は、シテ島よりも静かで落ち着いた雰囲気。17世紀の建物が整然と並ぶ住宅街で、個人ショップや伝統的なアイスクリーム店「ベルティヨン」、地元に愛されるカフェが点在しています。
有名な観光地はないものの、ローカルな穏やかさが居心地のいい場所です。セーヌ川沿いの遊歩道でのんびりとした時間を過ごすのにぴったりのエリアですよ。
治安はいい?落ち着いたエリアだからこその注意点
結論から言うと、シテ島とサンルイ島の治安は、パリの中でも比較的良好な部類に入ります。特にサンルイ島は静かな住宅街でもあり、治安が安定していることで知られています。
しかし、観光客の多いシテ島では、やはりスリや詐欺といった軽犯罪が一定数存在します。特にノートルダム大聖堂の再オープン以降は観光客の流れが活発になり、それに伴ってスリなどの活動も再び増加傾向にあるといわれています。
多い犯罪はスリ、署名詐欺
シテ島では、特にスリが目立ちます。狙われやすいのは、スマートフォンを手に持っていたり、地図を広げてキョロキョロしていたりする観光客。一発で観光客と分かるのでスリに目をつけられやすいんです。犯人たちは若い女性や子どもが多く、観光客からすると無害そうに見えるためこちらも注意を怠りがち。
また、「署名詐欺」と呼ばれる犯罪も多く発生しています。若者たちが英語で話しかけ、観光客に署名を求めるように見せかけて、気を取られた隙に財布やスマートフォンを盗むという手口です。ノートルダム大聖堂の前やコンシェルジュリーの近くでは特に多く報告されているので要注意です。
犯罪が起こりやすい場所
シテ島とは対照的に、サンルイ島では凶悪犯罪やスリの報告は少なく、夜でも比較的安心して歩けるエリアといえます。ただし、早朝や深夜の裏通りでは人通りがほとんどないため逆に危険な場合も。油断は禁物です。
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滞在場所としてもおすすめ!

シテ島はその大部分が観光施設、警察・司法関係施設などで占められていて、宿泊できる場所はほとんどありません。しかし、サンルイ島は滞在先として非常に魅力的です。
パリのど真ん中に位置しているため、主要スポットへ徒歩でアクセスできて利便性は抜群。歴史的建造物に囲まれた特別なロケーションでの滞在は、パリ旅行をより思い出深いものにしてくれます。
惜しい点はサンルイ島内には地下鉄は通っていないため、最寄り駅まで少し歩かなければいけない点。それからホテルやアパルトマンの数が限られていて、宿泊費がやや高めな点です。
メリットとしては、交通量が少なく静かである点が挙げられます。落ち着いた環境や安全性を重視する人には非常におすすめです。
Klook.comこれだけはやって!パリでの安全対策
比較的治安のいいエリアであっても、油断はできないのがパリです。以下で紹介することは旅行中、常に心がけるようにしてくださいね。
シテ島とサンルイ島は、パリの中でも特に特別な空気をまとった場所。歴史と芸術に囲まれながら、静かに過ごす時間はまさに贅沢そのものです。治安も比較的良好で、基本的な防犯意識さえ持っていれば、安心して観光を楽しむことができます。
ノートルダムの再オープンで再び注目を集めるこのエリア。安全に気をつけながら、その魅力をたっぷりと味わってください。