フランスに限らず海外に行ったとき、日本と違う文化のために分からなくて戸惑ってしまった、知らずにマナー違反な行動をとってしまった、などの経験がある方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、フランスでは当たり前だけど日本にはない習慣やマナー、社会システムについて紹介したいと思います。
フランス旅行の予定がある方は要チェックです。
目次
店内を出入りするときは一言あいさつを
まずひとつめはショッピングなどでお店に入るときや出るときに気をつけたいマナーです。
それは店内に入るときに「Bonjour!」、出るときには「Merci」や「Au revoir」とあいさつをすること。
日本語の「いらっしゃいませ」に当たるフランス語はなく、フランスでは入店時には店員さんもお客さんも「Bonjour!」(夕方以降であれば「Bonsoir」)とあいさつをします。
日本では店員さんの「いらっしゃいませ」に対して返事をしないことが多いですが、フランスではお互いにあいさつをするのがマナー。店員さんが自分に気づいていなくても軽く「Bonjour」と声をかけて入るといいですよ。
また、フランス語に抵抗がある人は英語で「Hello」や「Thank you」などでもOK。特に観光地のお店などの場合は、英語で話しかけてくれる店員さんも多いのでフランス語にこだわる必要はありません。
もちろん大型のチェーン店などで、店員さんがすぐ近くに見当たらないときは、そこまで気にしなくても大丈夫。小さなお店や個人店ではあいさつをしてみてください。
また、カフェやレストランなど飲食店でも同じです。
飲食店の場合は、フランス人は食べ終わってお店を出るときのあいさつを特に大事にしているように感じます。
例えば、店員さんが見当たらないときはわざわざ出てくるのを待ち、「Merci」「C’était trés bon」など必ず一言声をかけて出ていく人もいます。
サービスを受けたからそのお礼をしっかり言いたいという気持ちなのかな、と思いますが、ステキな習慣ですよね。
- Bonjour・・・おはよう、こんにちは
- Bonsoir・・・こんばんは
- Merci・・・ありがとう
- Au revoir・・・さようなら
- C’était trés bon・・・とてもおいしかったです
トイレは有料、公共トイレが少ない
フランス、特にパリでは、公共トイレというものが少なく、しかもほとんどが有料です。料金は1€前後。
日本では困ったときにはコンビニなどですぐに借りることができますが、フランスにはコンビニのような便利なものはありません。
また、日本では電車の駅やスーパーなどに無料トイレが設置してあるのも当たり前ですが、フランスにはありません。(TGVが通る主要駅にはトイレはありますが有料)
最近は全自動清浄の公衆トイレが街中に増えてきていますが、数が少ないうえに一人用なので列ができることもあり、あまり頼りになりません。他に外でトイレが設置してある場所と言えば、大きな公園(有料)くらい。
外でどうしてもトイレに行きたくなった場合には、カフェに入ってコーヒーなどなにか注文してトイレを利用する、または百貨店やショッピングモール内のトイレを利用する方法があります。
カフェなどで何も注文せずにトイレだけ借りようとすると、たいていは断られるか、なにか注文をするよう言われます。最初から注文をしてサッとトイレに行くのが賢明です。
百貨店やショッピングモールにはもちろんトイレはありますが、たまに有料の場所もあるのでご注意を。
ということで、食事などで寄った飲食店では必ずトイレを済ませてからお店を出ること、有料トイレのために小銭を用意しておくことをおすすめします。
1階(地上階)は0階
ホテルや百貨店などで気をつけたいのが、階数表示です。
日本でいう1階はフランスでは0階、エレベーターなどの階数表示ではRDC(Rez-De-Chaussée)などと表示されていることもあります。
間違えて1階で降りたり、ボタンに0階が見つからず焦ったりすることがないように覚えておきましょう。
乗越精算できない!?たま〜に見かける検札員に注意
電車やメトロのシステムも、日本と少し違う点があるので注意が必要です。
ここではメトロとパリとパリ近郊を走るRERに関しての話をしていきます。
メトロでは絶対に切符を無くさないで
メトロの改札を通るときにはチケットやナビゴ(チャージ式交通カード)がもちろん必要ですが、出るときには必要ありません。自動ゲートを通ってそのまま出ることができます。(RERは出るときにもチケットやナビゴは必要です)
しかし!だからといって、駅を出るまでチケットは捨ててはいけません!たまに出口前で検札員が待ち構えていて、チケットやナビゴのチェックをしていることがあるからです。
もしここで、チケットを持っていなかったりすると罰金を取られてしまいます。彼らはどんな理由があろうと取り合ってくれず、有無を言わさず罰金を取ります。
チケットを無くしたりしないよう注意しましょう。
フランスには乗越精算がない
フランスの電車で日本と大きく違うのが、乗越精算ができないという点です。
メトロはどこまで乗っても一律料金なので大丈夫ですが、注意しなければいけないのはRERでパリ郊外へ出るときです。(パリ市内はRERも一律料金です)
間違ったチケットを買って料金が足りなかったとしても乗越精算はできません。
それだけならなんとかなりますが、そこに万が一検札員がいたら一巻の終わり。切符を間違えたと訴えても聞いてはくれません。罰金を払わされることになるので気をつけてください。
教会を見学する際に気をつけたいこと
ヨーロッパに旅行に来たら、観光目的で教会を訪れる方も多いのではないでしょうか。
日本ではあまり行く機会がないので忘れがちですが、教会に入るときは帽子をとる、女性は肩や膝を隠すなど露出を控えた服装を意識しましょう。
そうはいっても、パリの教会の多くは普段は服装の制限はありません。ですので最低限、帽子をとってから入るようにしましょう。ただ、ミサに参加する場合は露出を控えた服装が必要です。
また、ミサ中の写真撮影は控えましょう。ミサを行っていない場合でもフラッシュをたいての撮影は禁止されている場合が多いです。
入り口に注意書きが貼られていることが多いので、入るときによく見ましょう。
レジ袋は有料が当たり前
日本でも最近スーパーのレジ袋の有料化が始まりいろいろな意見が出ているようですが、フランスではかなり前からレジ袋は有料化されています。
スーパーで買い出しをしたりおみやげ探しをする方もいると思いますが、必ずエコバッグなどを持っていきましょう。
もし忘れた場合には、レジ周りに袋が置いてあるのでそれを購入するか、見当たらない場合にはお会計のときにレジの店員さんに言えば出してもらえます。
また、各スーパーでオリジナルのエコバッグを販売しているところもあるので、それを思い出の一つとして購入して利用するのもいいですね。
最近はスーパー以外でも袋を有料化しているところがあったり、アパレルショップなどでも袋が必要かどうか聞かれることが増えてきました。
日本の生活に慣れていると不便に感じることもあるかもしれませんが、ショッピングや買い出しに出かけるときは常にエコバッグなどを持ち歩くとムダなお金を払わずに済みますよ。
日曜定休のお店が多い
もともとカトリックの国であるフランスでは日曜日は安息の日とされていて、ショップや飲食店なども日曜定休としているところが多くあるんです。
ただ、パリのような大きな街では最近は日曜も営業しているお店が増えてきています。特に観光地は毎日営業しているお店もたくさんあります。
それでもまだまだ日曜定休のお店も多くあるので、特にレストランなどは定休日を確認してから出掛けましょう。
美術館やモニュメントなどの観光施設は日曜も開館していますが、定休日はあるのでこちらも観光の際はチェックしてから訪れるようにしましょう。
日本では週末に閉まっているお店というのはあまりないので、文化の違いを感じますね。
日曜日はスーパーでアルコールが買えない!?
さきほど紹介した日曜定休に関係して、スーパーも土曜は短時間営業・日曜定休が当たり前のフランス。しかし最近は、日曜も午前中だけなど短時間ではありますが、営業するところが増えてきています。
日曜にスーパーが閉まっているのはけっこう不便なのでありがたいのですが、なんと日曜日はアルコール類を販売していないスーパーがあるんです。
理由は未成年にアルコール購入させないため。
それなら大人は買ってもいいんじゃないの?と思いますが、日曜はレジ店員さんがおらず年齢確認ができないため、アルコールの販売自体をしていないんです。(無人の自動レジでお会計をします)
アルコールのコーナーは、商品がとれないように布などで覆われていたり、張り紙が貼られています。
もちろんすべてのスーパーではありません。日曜もレジ店員さんがいるところでは購入可能です。
最後に
文化の違いや社会システムの違いから、海外では思いも寄らないところでハプニングや困りごとに遭遇することも少なくないですよね。
今回紹介したことを参考にフランスを楽しんでくださいね。