初めてのパリ旅行や久しぶりの海外となると、楽しみの反面、不安もつきもの。なかでも「治安」に関しては気になる人が多いのではないでしょうか。ネットで調べてみると、スリや詐欺といった話がたくさん出てきて、「本当に大丈夫なのかな…」と心配になってしまいますよね。
そこで今回は、観光地として人気の「パリ7区」に絞って現地の治安状況を詳しくお伝えします。実際にどんな犯罪が多いのか、どの場所に注意すべきか、旅行者としてどう行動すればいいのかを、リアルな視点で解説していきます。
パリ7区ってどんなエリア?

パリ7区はセーヌ川左岸に広がる地区で、エッフェル塔があることで有名。アンヴァリッドやロダン美術館、オルセー美術館なども徒歩圏内にあり、歴史と文化にあふれたエリアです。
観光スポットが多いため、世界中から人が集まります。一方で、大使館や高級住宅が並ぶ静かな通りもあり、パリのなかでは比較的落ち着いた雰囲気が漂っています。とはいえ、「観光地=安全」ではないのが海外旅行の常識。7区にも注意すべきポイントはあります。
7区の治安はどうなっている?
7区はパリの中では「比較的治安がいい」とされるエリアです。ただし「安全」ではなく「比較的安全」という点はしっかり覚えておく必要あり。
パリでよくある凶悪犯罪(強盗や傷害など)は、7区ではあまり見られません。しかし、スリや詐欺、置き引きなどの軽犯罪は、観光地という性質上、日常的に発生しています。
とくに観光客が油断しているタイミングを狙った犯行が多く、「気づいたら財布がなかった」「カバンが開けられていた」といったケースが後を絶ちません。つまり、のんびり観光気分で歩いていると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があるということです。
どんな犯罪が多いの?
7区で報告されている主な犯罪の種類は以下の通りです。
《スリ》
もっとも多いのがスリです。特に人が多く集まるエッフェル塔周辺では頻繁に発生しています。スリはグループで行動するケースが多く、ひとりが話しかけて注意をそらし、もう一人がバッグやポケットから貴重品を抜き取るという手口がよくあります。
スマホを手に持ったまま歩いていると、それを奪って走り去る「ひったくり型」もみられます。ひったくり型は、地下鉄の中や改札付近、混雑する路上などで頻発している手口です。地下鉄では、ドア付近に立っている人のスマホをドアが閉まる瞬間に奪い取るという、危険な方法でひったくりを行う人も。人混みや地下鉄内でのスマホの利用はなるべく避けましょう。
《置き引き》
カフェや公園のベンチで一息ついているとき、足元に置いたバッグを持ち去られるというのもよくあるケースです。特に観光客は景色や食事に夢中になりやすく、荷物への注意が疎かになりがち。荷物は自分の視界に入る場所においておくと安心です。
また、飲食店の店内でも、「(貴重品ではない)荷物を席に置いたまま席を立ったら、戻ったときにはなかった」という事例も少なくありません。ちょっとびっくりですが、盗まれるのは財布やスマホなど貴重品だけではないんです。せっかく購入したお土産などを盗まれては、せっかくの旅行が台無しですよね。貴重品以外の荷物管理にも気をつけましょう。
《詐欺》
署名を求めてくる若者グループには要注意です。「チャリティ活動をしています」などと言って話しかけてきますが、実際にはお金を騙し取るのが目的。紙に署名をさせた後で寄付を迫り、断ると強引にバッグを開けようとするなど、かなり悪質なケースも報告されています。また、署名や寄付と見せかけて、隙をついてスリ行為をするというパターンも。
片言の英語で近づいてくる若者グループには気をつけましょう。「Non!」とはっきり言い、隙を見せないようにすることが大事です。
注意したい場所はどこ?
7区のなかでも特に警戒したい場所は以下の通りです。
夜間の危険性は?

7区は基本的に静かな住宅街が多く、夜になると通行人が少なくなります。エッフェル塔周辺を除けば、夜遅くまでにぎわっているエリアではないため、特に女性の一人歩きや、人気のない道を歩くのは避けたほうが無難です。
また、セーヌ川沿いの道や公園内は、昼間と夜で雰囲気が一変します。暗い場所では犯罪者が身を隠しやすくなるため、日が暮れたあとはできるだけ大通りを歩くようにしましょう。
7区は滞在先としておすすめ?

治安面では、7区はパリ市内の中でも比較的落ち着いたエリアであり、滞在先としてはかなりおすすめ。凶悪な犯罪は少なく、静かな住宅街も多いため、旅行中に不安を感じにくい環境が整っています。
スリなどの軽犯罪には注意が必要ですが、それはパリのどのエリアでも共通すること。夜間に裏道を避ける、荷物から目を離さないといった基本的な対策さえしていれば、大きなトラブルに巻き込まれるリスクは低く、安心して出歩くことができます。
一方で、宿泊費はやや高めです。7区には大使館や高級マンションが集まっていて、ホテルもラグジュアリー系やブティックホテルが中心。価格帯としては1泊2万円前後からが多く、手頃なホテルは数が限られます。
ただし、価格が高い分、宿泊施設の質は全体的に安定しています。歴史的な建物を改装したクラシックなホテルから、現代的でスタイリッシュなデザインホテルまで、外観も内装もこだわりを感じる宿が豊富に揃っています。
特に、エッフェル塔から徒歩圏内に泊まれるというのは大きな魅力です。たとえば「ホテル・ラ・コンテス 」や「ホテル・デュケンヌ・エッフェル 」などは、部屋からエッフェル塔が見えるロケーションで人気。朝の散歩や夜のライトアップ鑑賞が日課になるような、ちょっと特別な滞在体験ができる場所です。
また、地下鉄やバスのアクセスも悪くないので、ほかの観光地へ移動するにも便利です。エッフェル塔周辺を除けば騒がしさも少なく、夜は静かに休めるエリアでもあります。早朝出発や夜遅くの帰着でも、比較的安心して出入りできるのもうれしいポイント。
予算に少し余裕があるなら、治安・快適さ・立地のバランスが取れた7区はかなりおすすめの滞在エリアですよ。
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安全に過ごすために、絶対守りたい5つのポイント
7区で安全に観光するためには、次の5つを心がけるのが重要!これらをしっかり守るだけでもスリや犯罪被害のリスクを減らせます。
「治安がいい」とされる場所でも、日中と夜間では雰囲気が大きく変わることがあります。時間帯ごとに警戒レベルを調整する意識を持つとより安心です。
パリ7区は観光地として魅力的でパリらしさを感じられる美しいエリアですが、治安面では「油断は禁物」というのが現実。凶悪犯罪は少ないものの、観光客は常にスリや詐欺といった軽犯罪のターゲットになっています。「パリ7区=危険」ではなく、「観光地だからこそ注意が必要」という意識を持つことが大切です。