毎年9月の第3週末は「ヨーロッパ文化遺産の日」といって、さまざまな文化施設や建造物の多くが無料で一般に公開される日です。
これはフランス中で開催される文化イベントで、毎年人気の施設には多くの人が押しかけます。
ヨーロッパ文化遺産の日が特別なイベントなのは、通常は一般に公開されていない施設、例えば大統領官邸エリゼ宮などが年に一度、この日にだけ見学することができるからなんです。
エリゼ宮のように普段一般公開されていない行政施設などには、入場に長蛇の列ができることも珍しくはありません。
美術館など普段から見学可能な施設も、この日は無料で入場できたり特別プログラムが組まれたりします。
またヨーロッパ文化遺産の日は、フランスのみならずヨーロッパ中で開催されており、貴重な文化遺産を知ろう、後世に残そうという大きな意義を持つイベントです。
第38回ヨーロッパ文化遺産の日
38回目となる今年の文化遺産の日には、フランス国内で17,000以上の施設がイベントに参加します。
美術館などの文化施設のみならず、教会、行政施設、公園などの屋外施設も参加するため、このような膨大な参加数になります。
公式サイトから自分の興味に合わせて参加施設が検索できるので、検索してみましょう。
paris magazineではパリでおすすめの場所を紹介したいと思います。
パリでおすすめの施設
パリ市庁舎 / Hôtel de Ville de Paris
パリ市庁舎はフランスルネサンス様式の凝った装飾の立派な建物です。
外観は写真に収める方も多いと思いますが、内部を見学する方は少ないのではないでしょうか。
隣にある観光案内所で申し込みの上見学可能なのですが、知らない方も多いのでは。
パリ市庁舎にはパリ市役所や行政施設が入っているため、内部は殺風景なオフィスなのかと思いきや、全くそうではありません!
大広間や大階段など、ヴェルサイユ宮殿を思わせるような豪勢な部屋がいくつもあり、見ごたえはばっちりです。
イベント中の見学にも事前申し込みが必要ですが、これを機会にぜひ内部を見学してみてください。
Théâtre du Châtelet / シャトレ座
パリの劇場といえばオペラ・ガルニエが有名ですが、それとほぼ同時期に建設された劇場です。
1862年の開館から数多くの歌劇を上演してきました。
2年半の修復工事を経て、今年再オープンしたシャトレ座の内部をぜひ見学してみましょう。
修復工事によって館内の装飾が修復されており、開館当時のような美しいホールを見ることが出来ます。
ガイド付き見学の他に、参加型のアトリエや、衣装や音響・照明など、演劇の裏側が見られる見学コースもあるようです。
ガイド付き見学では、装飾芸術の歴史とともにシャトレ座の歴史を振り返ります。(要予約)
文化遺産の日期間中のみ一般公開される施設
大統領官邸エリゼ宮 / Palais de l’Elysée
ヨーロッパ文化遺産の日の一番人気はエリゼ宮でしょう。
大統領の職務室や食堂、サロン、レセプションホールなど、エリゼ宮の主な部屋を見学できます。
以前は見学に人が押し寄せ、朝早くから長蛇の列ができるのが毎年恒例でしたが、今は予約制となっています。
エリゼ宮ホームページより予約できます。
Beaux-Arts de Paris / 国立高等美術学校
美術学校になる前は美術館だったBeaux-Arts de Parisは、歴史的建造物にも指定されている貴重な建築物です。
世界で最も長い歴史を持つ美術学校の一つであるBeaux-Arts de Paris。
そこでの学校生活や芸術にふれることが出来ます。
古くから芸術が発展してきた国の美術学校がどんな雰囲気なのか気になりませんか?
ガイド付き見学と自由見学があります。
開催日
2021年 9月18・19日
今年は多くの施設で予約が必要となっています。
下記ヨーローッパ文化遺産の日公式サイト、または各施設のサイトよりご確認ください。
INFORMATION
JOURNÉES EUROPÉENNES DU PATRIMOINE