パリ18区には芸術の街モンマルトルがあり、サクレ・クール寺院やムーラン・ルージュなど世界的に有名な観光スポットが集まる魅力的なエリアです。
しかし、観光地として人気の一方で、治安面では注意が必要な地区でもあります。パリ旅行を計画している人にとって、18区の治安を理解し避けるべき場所やどんな危険があるかを知ることはとても重要になってきます。
今回はパリに住んでいるからこそ分かる、パリ18区の魅力と治安の現状、特に治安の悪い場所などを当サイトの管理人が詳しく紹介していきます。
目次
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パリ18区ってどんなとこ?観光客にとっての魅力とは


パリ18区は、パリ北部に位置する歴史と芸術に彩られた特別な地区です。一番有名なのは、パリの象徴的なランドマークであるサクレ・クール寺院が立つモンマルトルの丘です。この丘からはパリ市内を一望できる絶景が楽しめます。
モンマルトル地区は、ピカソ、ゴッホ、ルノワール、ピサロ、ユトリロ、ロートレックなど、多くの著名な画家が制作活動を行った芸術家の街として知られています。テルトル広場では、今も似顔絵を描く画家たちの姿を見ることができ、芸術的な雰囲気を肌で感じられます。


また、世界的に有名なキャバレー「ムーラン・ルージュ」もこの地区にあり、華やかなパリの夜を体験できる場所として多くの観光客が訪れます。映画「アメリ」のロケ地として知られるカフェ・デ・ドゥー・ムーランなど、映画ファンにとっても聖地のような場所も点在しています。
曲がりくねった坂道と石畳の街並みは、パリらしい風情を感じさせ散策に最適。明るく色鮮やかな建物と温かい雰囲気に包まれたモンマルトルは、多くの観光客にとって忘れられない思い出を作る場所となっています。
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パリ18区の治安は?
パリ18区はモンマルトルの丘という人気の観光地を抱えながらも、治安面では大きな不安のある地区です。一般的にはパリで一番治安が悪いのは18区と19区といわれていて、実際にパリで一二を争う治安の悪さです。場所によっては昼間でも近づくのを避けたいほどで、危険な場所をしっかり把握しておく必要があります。
モンマルトルエリアは観光地であることから比較的治安はいいですが、それ以外の場所は雰囲気の悪い場所が多いのが現状です。
18区にはどんな危険があるの?
パリ18区の治安については、公式に発表されている数字からも読み取ることができます。
フランス内務省の発表した統計によると、18区は傷害事件の発生件数・ドラッグの取引件数・ひったくり件数がともにパリで最多となっています。
〈18区内での傷害事件・ドラッグの取引・ひったくりの発生件数〉
傷害事件 | ドラッグの取引 | ひったくり | |
---|---|---|---|
2023年 | 1027件 | 995件 | 11,727件 |
2024年 | 1002件 | 1075件 | 10,195件 |
住人1,000人あたりの発生割合に換算すると、18区を上回る区があるものの、実際の発生件数では18区が飛び抜けている状況です。
夜間にはドラッグ取引などの影響で不快な雰囲気があるところもあります。また、騒音・落書き・ごみ・インフラの荒れなどもいたるところで見られます。公共空間の清潔さや街灯、歩道の整備などに関して、場所によっては粗悪なところがあり、不安感を誘う要因となっています。
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Klook.comモンマルトルの丘で多い軽犯罪
観光客が多いモンマルトルエリアでは傷害事件やドラッグ取引などはあまり見られませんが、観光客を狙った軽犯罪はやはり多めです。
もっとも頻繁に発生するのは、観光客を狙ったスリやひったくりです。サクレ・クール寺院やテルトル広場周辺は、観光客であふれかえっているためスリグループが多く活動しています。
スリグループはそのほとんどが幼い少女で、人混みに紛れてバッグの中から財布を盗んだり、話しかけて注意を逸らしている隙に貴重品を奪ったりします。彼女らの手口はとにかく巧妙で、まったく気づかない人も多いようです。
少女たちはカタコトの英語で話しかけてくるパターンが多いよ。
そういうときは反応せずにすぐに離れて。
押し売りやぼったくりもモンマルトル地区の大きな問題の一つになっています。アクセサリーや絵画を無理やり売りつけようとしたり、タダであげるような素振りを見せておいてお金を要求するパターンが見られます。
にこやかに近づいてこられると、優しい人は反応してしまうんだよね。人の親切心につけこんだ酷い犯罪行為だ!
詐欺的な行為も報告されています。偽の慈善団体や宗教団体を名乗って寄付を求めたり、不必要なサービスを提供して料金を請求したりするケースです。
18区の夜の雰囲気は?
夜間の18区は、昼間とは大きく雰囲気が変わります。観光地であるモンマルトルの丘でも、夜間は人通りが少なくなるので、夜出歩くのは推奨されません。特に一人での外出は危険です。
まだ人出のあるサクレクール寺院(夜22時半まで開いている)やテルトル広場(周囲にはレストランがある)、アベス駅(レストランが多い)あたりはいいですが、それ以外の場所は昼間のうちに行くようにしましょう。
特に地下鉄4番線バルベス・ロシュショアール駅からポルト・ド・クリニャンクール駅までの間は、アフリカ系の移民や低所得者が多く住んでいる地域で、夜に一人で歩かないほうがいいとされています。フランス人でさえ、この地域には夜間は近づかないという人もいるほどです。
18区はモンマルトルの丘以外は観光客を惹きつけるものはほぼなし。モンマルトルの丘以外に行かなければリスクも少ないよ!
街灯が少ない路地や人けの少ない場所では、強盗や暴行の危険性も高まります。また、薬物関連の犯罪も夜間により多く発生する傾向があります。
18区と9区の境目になるクリシー通りとマルグリット・ド・ロシュショアール通り(地下鉄2番線沿いの通り)も夜間に近づくことはおすすめしません。ここには大人のお店が並んでいて、夜に出入りが活発になるので、テンションのおかしな人たちが増えるからです。
モンマルトル観光で気をつけるべきことは?
モンマルトル観光で注意したいのはスリ・詐欺・押し売り・ぼったくりです。
スリはそのほとんどが中学生くらいの女の子のグループです。中学生ほどの女の子に話しかけられたり不必要に近づかれたときは、すぐに距離を取ってください。観光に夢中になっていると意外と気づかないものなので、常に周りをよく見るようにしましょう。
詐欺や押し売り・ぼったくりの被害に合わないためには、最初からはっきりNo!と言って断ること。迷っているような態度を見せるとどんどんつけ込んできます。
サクレクール寺院からテルトル広場周辺にかけては押し売りや客引きなどがすごく多い!
わたしは目を合わさないようにして、しつこい人にははっきり「Non, Merci!」と言ってるよ。
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パリ18区の治安が悪い理由
パリ18区の治安が悪い理由には、複数の社会的・経済的要因があります。
経済的格差はなかでも大きな要因です。18区には低所得層が多く住んでいて、失業率も他の地区と比べて高い傾向にあります。経済的な困窮が犯罪の引き金となることは少なくありません。
また、住民はマグレブ系、アフリカ系、インド系の移民が多く、白人のフランス人は少ないという人口構成があります。この多様性は文化的豊かさをもたらす一方で、社会統合の課題も生んでいます。
経済的格差・移民問題は、市街インフラの整備遅延や公共サービスへのアクセスの格差、公共空間の維持の問題などを引き起こしていると考えられます。
一部地区では街灯が暗い、歩道が狭い、夜間の見通しが悪い道があるなど、安全性を下げる物理的条件が重なっています。夜の通りの清掃状況やごみ、落書きなども「不潔な印象」「安全でないという感覚」を強める要因のひとつです。
モンマルトルの丘がパリの重要な観光地であることも、皮肉にも治安悪化の一因となっています。多くの観光客が現金や貴重品を持って歩き回るため、犯罪者にとって格好のターゲットとなってしまっているんです。
観光客を対象としたビジネス(飲食、キャバレーなど)が混ざる地区では、価格トラブルや詐欺まがいの商行為が起こりやすいという問題も発生しています。
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Klook.comパリ18区で特に治安が悪い場所
パリ18区内でも、特に注意が必要な場所がいくつかあります。
バルベス・ロシュショアール駅周辺
(Barbès – Rochechouart)
バルベス・ロシュシュアール駅周辺は、もっとも危険とされるエリアの一つです。駅を出たところから雰囲気はよくありません。この地域では昼間でも注意が必要で、不必要な寄り道は避けることが推奨されています。
ポルト・ド・クリニャンクール駅周辺
(Porte de Clignancourt)
ポルト・ド・クリニャンクール駅周辺も危険度が高いエリアです。ポルト・ド・クリニャンクール駅はクリニャンクールの蚤の市の最寄り駅ですが、駅から蚤の市までのあいだも雰囲気はよくありません。蚤の市へ行くときは昼間の人出がある時間帯に行くか、配車サービスを使うようにしましょう。
クリニャンクール蚤の市へ行くときは貴重品や現金の持ち過ぎも注意!ブランド物のバッグなども目立つのでやめてね。
シャトー・ルージュ駅周辺(Château Rouge)
シャトー・ルージュ駅周辺も注意が必要な場所の一つです。このエリアは移民が多く住む地域で、夜間の一人歩きは特に危険です。
18区内の地下鉄の4番線沿線は基本的に治安はよくない!
近づかないのが無難です。
ラ・シャペルエリア(La Chapelle)
18区の東のエリア、ラ・シャペルも危険なエリアです。移民コミュニティが集中し、公共空間の管理が行き届かない部分、ドラッグ取引がみられたりします。
グット・ドールエリア(Goutte d’Or)
ごみ・騒音・清潔さの問題、またドラッグ関連トラブルも。人が少ない道や裏通りでは不安を感じることがあります。
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パリ18区は滞在先としてどう?
パリ18区での宿泊については慎重に検討する必要あり!比較的安価なホテルも多いため魅力的に見えるかもしれませんが、治安面のリスクを考慮すると、ほかの地区での宿泊が絶対おすすめです。
もし18区に宿泊する場合は、モンマルトルの丘で、駅に近い場所、24時間フロントがあいているところを選ぶことが大事です。口コミもしっかりチェックして、周辺の様子に問題がないかも確認しましょう。
特に女性の一人旅や初回のパリ旅行の場合は、6区や7区などの治安のいい地区での宿泊を検討することをおすすめします。楽しく旅行するためにはまずは安全性が重要です!
パリ18区に行くときに気をつけるべきこと
パリ18区を安全に観光するための具体的な対策をご紹介します。
貴重品の管理
パリではカード支払いが主流なので、現金はほぼ必要なし!
わたしもしばらく現金で支払いをしてないなぁ。。。
狙われにくい服装と持ち物
知らない人に声をかけられたら
移動の際の注意
冬のパリは17時頃には日が落ちてしまいます。ディナーの行き帰りはタクシーを使うのがおすすめ!
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これらの対策を実践することで、パリ18区の魅力的な観光スポットを比較的安全に楽しむことができます。治安の問題はありますが、適切な注意を払えば、モンマルトルの美しさや芸術的な雰囲気を十分に楽しめるはずですよ。
もっとも重要なのは、常に周囲に注意を払い、直感に従って危険を感じたらすぐにその場を離れることです。思い出に残るパリ旅行にしてくださいね。