海外旅行の際に気になることのひとつが現地の治安ではないでしょうか。
日本は世界でもトップレベルの治安の良さなので、日本人にとっては海外にどんな危険なことがあるか想像しにくい部分があります。
また、コロナの世界的大流行は治安にも影響を及ぼしました。
実際に管理人は、コロナ前と後では街の様子が少し変わったと肌で感じています。
パリの治安状況を知り、安全に旅行できるよう対策を知りましょう。
目次
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世界から見たフランスの治安
まず世界的に見るとフランスの治安はどんなレベルなのか。
国際的シンクタンク「経済平和研究所(IEP)」が毎年発表している、世界平和度指数(GPI)では、フランスは163カ国中55位(2021年)でした。
前年度と比べると7つ順位が上がっています。
世界的に見ると平和度の高い国に入りますが、12位の日本と比べるとやはり危険が多いことが想像できます。
また同ランキングをヨーロッパだけで見ると、フランスは36カ国中33位となかなか低い順位となっています。
これは、フランスと並んで人気の旅行先であるイタリア・スペインよりも低い順位なんです。
管理人個人の感想としては少し意外に感じましたが、事実こうしてランク付けがなされているので、旅行の際は十分に注意する必要があるということですね。
よくあるトラブルや危険
パリはエリアによって治安が大きく違うとよく言われます。
それは事実だと思いますが、安全と言われるエリアでも犯罪やトラブルにあうこともあるので、パリを歩くときはどこであっても周りを気にしておく必要があります。
ここから紹介するのは、パリで多いトラブルや犯罪です。
これらはほんの一部に過ぎませんが、実例を知り予防策を取れるようにしておきましょう。
スリ
パリで特に多い犯罪が、メトロ内や人が多い観光地でのスリです。
よくみられるのは次のような被害。
- 混んだ車内でいつの間にか財布をすられていた
- 空いている車内で数人に話しかけられ、親切心で対応しているうちに財布をすられた
- 数人に取り囲まれ腕を掴まれるなどして動きを封じられ、財布や携帯を盗まれた
このようにスリはさまざまな方法で狙ってきます。
空いている車内でも、数人でターゲットを取り囲むことで意図的に密度の高い空間を作りスリに及ぶ、というようなこともあるようです。
注意しなければいけないのは、混んでいる車内だけではないのです。
また混み合う観光地では、
- 気がついたらリュックサックの全てのファスナーが開けられものが盗まれていた
- 人混みの中でハンドバッグの中身がいつの間にかすられていた
- 美術館内のベンチに座っていたところに話しかけられ、気を取られているうちに隣に置いていたバッグを盗まれた
- ニセの嘆願書を頼まれ、記入しているうちにバッグを盗まれた
などの被害が出ています。
ひったくり
在仏日本大使館にはひったくり被害の報告も出ているようです。
- オートバイが後ろからやってきて、追い越しざまにバッグをひったくられた
- 人がいない夜道でバッグをひったくられた
- ATMでお金をおろしている際、取り出し口から出てきたお金を取られた
フランスの銀行ATMは銀行の外側(道路に面したところ)に設置されているものがあります。
そこでお金をおろしているときに取り出し口からちょうど出てきたお金をひったくられるという犯罪も発生しています。
置き引き
置き引きもよく見られる被害です。
置き引きは自分自身が注意することで被害を減らせるので、手荷物の管理には十分注意したいところです。
- 飲食店などで足元においていたバッグが盗まれた
- 飲食店などのテラス席でテーブルにスマホを置いておいたら通りすがりに盗まれた
- TGVに乗った際、網棚に置いていた荷物が盗まれた
- ホテルのフロントで手続き中に、足元においていた荷物が盗まれた
路上の物売り
エッフェル塔周辺やノートルダム大聖堂前の広場、ルーヴル美術館前などでよくみられる路上の物売り。
キーホルダーや子供のおもちゃなどさまざまなものを売っていますが、実はこの行為はフランスでは違法です。
安く売られているので、「安いしまぁ買ってもいいかな」と思うかもしれませんが、売上金は闇の組織に流れているのだそう。
簡単な日本語で話しかけたりしてなんとか売ろうとしてきますが、購入するのはやめましょう。
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トラブルや危険を避けるために
上記で上げたような犯罪に合わないために、どんなことに注意すればよいか書いていきます。
パリ警視庁が日本人向けに作成した安全対策パンフレットをもとに、管理人が普段気をつけていることも合わせて紹介します。
旅行中気に留めておいてください。
メトロやバスの中で
- ショルダーバッグやリュックサックをお腹側に持つ
- 話しかけられても対応しない
- 駅や車内ではバッグから財布や携帯を取り出さない
- 荷物を隣の席や足元に置かない(手に持っておく)
- 上着の外ポケットやパンツのポケットに財布や携帯を入れない
ショルダーバッグにしてもリュックサックにしても背中側にかけるのは危険です。目の届かない範囲になるので、スリに狙われやすくなってしまいます。
スリは駅構内や車内をうろついてターゲットを探しています。そこでバッグから貴重品を取り出しているところを見られてしまうと、あいつは高そうな財布を持っている、などと目をつけられ、狙われるリスクが上がります。
貴重品の出し入れはなるべく控えましょう。
上着の外ポケットやパンツのポケットに貴重品を入れない、というのは基本中の基本です。メトロやバスに限らず絶対にやめましょう。
観光地で
- 話しかけられても対応しない
- 路上の物売りから購入しない
- ニセの嘆願書に対応しない
- 上着の外ポケットやパンツのポケットに財布や携帯を入れたまま歩かない
多くの観光客が集まる観光地では、フレンドリーを装って話しかけてくる物売りやジプシーが多くいます。
話しかけられても対応する必要はありません。
美術館や観光施設の中で
- ベンチで休むときなども荷物は横に置かず、常に手に持っておく
- 親しげに話しかけられても対応しない
- 上着の外ポケットやパンツのポケットに財布や携帯を入れたまま歩かない
有料の施設の中にはスリなどいないだろうと思いがちですが、実はいるんです。
展示物や写真を撮るのに夢中になって荷物から離れたりしないようにしましょう。
飲食店で
- 席についている場合でも、財布や携帯をテーブルに置きっぱなしにしない
- 荷物は通路側に置かない(自分から見える場所に置く)
- 貴重品はもちろん、購入品や上着などをテーブルに置いたままで席を離れない
飲食店のテラス席で特に注意したいのが、貴重品をテーブルに置いておかないということです。
テーブルのすぐ前を通行人が通っていくので、自分が席についている状態でも貴重品を置いておくのは危険です。
また席を離れるときは、貴重品以外のものでも席に残していくのはやめましょう。まさかこんなものが?と思うものでも盗まれてしまうことがあります。
夜道で
- 安全といわれるエリアでも、夜は一人で出歩かない
- 人気のない道は避ける
夜遅くに宿泊先に帰ることもあると思いますが、安全なエリアであっても人気のない道は避けましょう。
その他
- ATMを使うときは必ず銀行内に設置されているものを使う(銀行の外側に設置されたものは避ける)
- 明らかに高価とわかるものを身に着けない
- 現金をあまり持ち歩かない
- 万が一パスポートなどを盗まれたときのために、コピーを取っておく
ただでさえアジア人観光客はスリのターゲットとなりやすいので、高価なものを身につけるのは避けるのが懸命です。
そして、万が一のためにパスポートはコピーを取っておきましょう。これはパリ警視庁でも推奨しています。
□こちらはパリ警視庁が日本人向けに作成した安全対策パンフレットです。
参考になるのでぜひ読んでみてください。
もし被害にあったら
どんなに気をつけていても、トラブルや犯罪に巻き込まれてしまうことはありえます。
もしそうなったときにどうすればいいか、対応策を知っておきましょう
緊急時の連絡先
- 警察:17
- 救急医療:15
- 消防:18
- 在フランス日本国大使館:01-4888-6200(パスポート紛失の際はすぐに大使館へ連絡する)
被害にあった場合はすぐに最寄りの警察署に被害届を出しましょう。
在仏日本大使館のサイトで、被害にあった場合の対応が説明されています。
水道水は飲んでも大丈夫?
海外では治安に加えて衛生面も気になる方は多いと思います。
東南アジアなどは水道水は飲んではいけないなどと言われますが、フランスはどうかというと、水道水は飲んでも大丈夫です。
水道水を料理に使用したり飲料水として飲むことは、全く問題ありません。
飲食店ではミネラルウォーターや炭酸水がメニューに載っており、基本は有料となっています。
無料のお水が欲しい場合は、「Carafe d’eau s’il vous plaît.」(カラフ ドー スィルヴプレ)というと水道水がもらえます。
メニューからミネラルウォーターなどを注文する場合はいいですが、無料のお水が欲しい場合ははっきりと言いましょう。
意地悪なお店だと確認もせずに有料のお水を提供し、お金を請求してくるところもあります。
最後に
旅行を安全に楽しむために、どんな危険があるのか、どんなことに注意すればいいのか、万が一犯罪にあったときにはどうすればいいのか、しっかり理解しておきましょう。
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