パリでもっともおいしいバゲットを決める「バゲットコンクール」。パリ市民も心待ちにしているこのコンクールが今年も開催されました。優勝したのはいったい誰なのか、その他の入賞者とともにご紹介します。
パリバゲットコンクール2024
さっそく入賞店10名を発表します!
(※パン屋の名前・所在地)
- Boulangerie Utopie — 20 rue Jean Pierre Timbaud(パリ11区)
- Maison Doré — 29 rue Gay Lussac(パリ5区)
- La Parisienne — 85 rue Saint Dominique(パリ7区)
- Boulangerie Rougès — 45 avenue de Saint Ouen(パリ17区)
- L’Écrin gourmand — 15 avenue du Docteur Arnold Netter(パリ12区)
- Boulangerie AA — 63 rue du Javelot(パリ13区)
- Boulangerie Paris and Co ー 4 rue de la Convention(パリ15区)
- Maison M — 2 avenue de la Porte Didot(パリ14区)
- Aux Délices de Vaugirard — 48 rue Madame(パリ6区)
- Du Pain et Vous — 63 avenue Bosquet(パリ7区)
みごと優勝しパリで一番おいしいバゲットの称号を得たのは11区にあるパン屋「Utopie」のXavier Netryさん!
優勝者には賞金4000€と今後1年間大統領官邸エリゼ宮の公式パン職人となる栄誉が与えられます。さらに、お店には今まで以上のお客さんが訪れることは必至。その経済効果はハンパではありません。お店の知名度アップと経済効果が一番のご褒美かもしれませんね。
実はUtopieはさまざまなサイトで取り上げられるなど、パリでは有名なパン屋。地元でも人気が高く、行列ができることも珍しくありません。パンだけでなくスィーツ類もとってもおいしそうなのでぜひ試してみてくださいね。
INFORMATION
◆Boulangerie Utopie
【アドレス】20 Rue Jean-Pierre Timbaud, 75011 Paris
【公式サイト】Boulangerie Utopie
バゲットの種類
実はフランスでいう〝バゲット〟には2種類あります。それは単に「バゲット」(baguette)と呼ばれるものと「バゲット トラディション」(baguette tradition)と呼ばれるものの2つです。
バゲット トラディションは、バゲットよりも表面がカリッと(バリっという表現のほうが近いかも)していて、内側もバゲットより粉っぽさが少なくしっとりもっちりしているのが特徴。値段もバゲット トラディションのほうが数サンチームほど(日本円にして数十円)高くなっています。
なぜこのように2種類のバゲットが生まれたかというと、伝統的なバゲットを守るために政府が材料や製造過程に規定を定めたから。その規定を守って作られたものだけをバゲット トラディションとして販売することができ、それ以外はバゲット トラディションを名乗ることはできません。
政府が定めた規定がどんなものかというと、、、
- 材料は水・小麦・酵母・塩のみ
- 製造過程での冷凍禁止
- 保存料などの添加物の使用禁止 など
冷凍できないことから、バゲット トラディションは店内で一から作られたもの、ということになります。
一方で、バゲットにはこのような細い決まりはありません。大量生産し冷凍保存、必要な分だけ焼く、ということも可能なため、バゲット トラディションと比べればその品質は保証されません。
せっかく本場のバゲットを楽しむなら、バゲット トラディションを味わいたいですね!
パン屋で購入するときに、普通のバゲットが欲しいときには「バゲットをください。」でOKですが、普通のバゲットであることを強調したいときは「バゲット ノーマル」(baguette normal)や「バゲット クラシック」(baguette classique)のように言う場合もあります。バゲット トラディションが欲しい場合は「トラディションをください。」でOK。
毎年行われているバゲットコンクールで競われるのは、もちろん〝バゲット トラディション〟のおいしさ。優勝したバゲットを味わいたい方は必ず〝バゲット トラディション〟を注文してくださいね!