オリンピックといえば、競技や選手だけでなく、全ての選手たちが衣食住をともにする場所も気になるところですよね。
選手やそのスタッフたちが大会期間中を過ごす場所が“選手村”です。
2024年に開かれるパリオリンピックの選手村は、2021年10月現在、建設工事真っ最中です。
paris magazineではこれまでどんな場所が競技会場として使われるのか紹介してきましたが、今日は少しテーマを変えて選手村を紹介します。
世界中から集まったアスリートが何日間も過ごす場所が、いったいどんなところに作られるのか、どんな村になるのか、見ていきたいと思います。
パリオリンピック選手村、どんなところ?
まず気になる選手村の場所から。
選手村は通常、競技会場へのアクセスがしやすい場所に作られます。
パリオリンピックは多くの競技がパリ市内で行われるわけですが、選手村がパリ市内に作られることは想像しにくいですね。
なぜなら、パリの面積は約105km² と、東京23区の6分の1の面積しかありません。そして人口密度はというと、2万382人/km² と、東京23区の1万5000人/km² よりも高くなっているんです。
選手村はどこに作られる?
選手村が作られるのは、パリの北側に隣接するセーヌ サン ドニ県。
セーヌ サン ドニ県に属する、サン ドニ(Saint-Denis)・サン トゥーアン(Saint-Ouen)・リル サン ドニ(L’Île-Saint-Denis)の3つのコミューンが隣接する地域に作られます。
サン ドニは郊外電車RER B線が通っており、電車でシャルル・ド・ゴール空港に向かう際に通る街といえば、イメージが湧きやすいでしょうか。
サン ドニには、多くの歴代フランス国王が埋葬されていることで有名なサンドニ大聖堂があります。
ゴシック建築の大聖堂はその建築様式や美しいステンドグラスなどから、建築物としても高く評価されています。
そしてサン トゥーアンは、観光客に人気の高いクリニャンクール蚤の市がある街です。
パリを旅行された方の中にはこの蚤の市に行ったことがあるという方も多いのではないでしょうか?
ところ狭しと商品が並ぶクリニャンクール蚤の市は、ブロカント好きやアンティーク好きにはたまらないスポットです。
リル サン ドニはセーヌ川に浮かぶ中洲で、選手村の中をセーヌ川が横切る形になります。
パリ中心地までは20分〜30分ほどで行ける場所であり、競技場への移動もしやすそうですね。
選手村の規模
選手村はセーヌ サン ドニ県に作られるとお伝えしましたが、その規模はどんなものなのでしょうか。
まず、選手村の面積は約52ha。サッカー場の約70個分の面積です。
そこにオリンピック開催中は1万4,250人のアスリートとスタッフ、パラリンピック開催中は8,000人のアスリートとスタッフを迎え入れる予定です。
村の中には、選手たちが試合会場へ向かうバスに乗り込む場所になるであろうバス停や、総数1万4,000個の個室を備えるアパート、3haの広さの公園などが作られることになっています。
また、徒歩での移動を減らすために、自転車やキックボードでの移動ができるように整備されます。自転車専用レーンなどの整備などが進むパリらしいアイデアですね。
また、サン ドニにあるCité du Cinémaという映画関連の施設が食堂へと姿を変えるそう。
そこで一日に用意される食事は6万人前にもなるのだとか。
選手村は2023年のうちに完成する予定です。
もちろん完成の遅れは許されず、コロナ禍が工事の進捗状況に影響を与えたこともあり、現在急ピッチで工事が進められています。
オリンピック後はどうなるの?
東京オリンピックの際の選手村は、オリンピック終了後には一般の住宅として利用されていますね。
パリの選手村も、オリンピック終了後には同じく住宅などとして使用されることになっています。
具体的には
- 2,500世帯の住宅
- 学生用住宅一棟
- ホテル一件
- 公園・緑地地域
- オフィスや商店
などとなる予定です。