パリのパッサージュといえば、パリ改造計画以前の街並みが見られる貴重な場所。
タイルで模様が描かれた床やガラス天井から差し込む光、両サイドに並んだ商店の昔のままの店構えなど、歩くだけでワクワクします。
観光の際にパッサージュ巡りをされる方も多いのではないでしょうか。
パリには現在、数十箇所のパッサージュが残っていますが、それぞれ雰囲気が違い、異なる特色を持っているのも興味深いところ。
飲食店が立ち並ぶパッサージュや、アパレルショップが多いパッサージュ、インド系の飲食店やエピスリーばかりが並ぶパッサージュなんていうのもあります。
今回ご紹介するのは、職人やアーティストのショップやアトリエが多く並ぶパッサージュです。明るく活気があり、観光客にも人気のパッサージュです。
パッサージュ・ド・グラン・サーフ / Passage du Grand Cerf
パッサージュ・ド・グラン・サーフは、パリ2区の賑やかなシャトレ地区とサン・ドニ地区の真ん中にあるパッサージュです。
長さは113m、通路の幅は3m。
職人やアーティストがアトリエを構えるパッサージュ
パッサージュ・ド・グラン・サーフは、職人のアトリエやアーティストのショップが多く並ぶ、パリでも珍しいパッサージュです。
宝飾デザイナーによるアクセサリーショップや手芸店、アフリカの工芸品のギャラリーなどが並んでいます。手芸店では手芸教室も開かれています。
また、ヴィンテージのメガネショップやインテリアショップ、アンティークショップなども並び、ウィンドウを眺めるだけも楽しい通りです。
このパッサージュは1825年に作られたと言われていますが、実は正確なオープン時期ははっきりしないそう。
とにかく1835年にはオープンしていたことは確かで、このパッサージュにたくさんの職人やアーティストが集まっているのは、このサン・ドニ地区周辺の特色が影響しています。
1830年頃、サン・ドニ地区は最も活気のある地区で、産業も栄えており、多くの工場やアトリエが存在していました。
そのため、パッサージュにも自然と職人やアーティストが集まったというわけです。
11,8mの高さを持つパッサージュ
パッサージュ・ド・グラン・サーフは、パリのパッサージュには珍しく11,8mもの高さがあるパッサージュです。
通常は2階分の高さであることが多いパリのパッサージュですが、11,8mというと、3階分の高さに相当します。
このパッサージュでは高さを活かし、ガラス天井の下に個性的なデコレーションを施しています。
2021年現在は、たくさんの巨大な折り鶴がぶら下がっています。
日本の文化である折り鶴ですが、フランスの建築物にきれいに馴染んでいますね!
以前はカラフルな傘がぶら下がっていました。定期的に変えられているようなので、どんなデコレーションか毎回見るのが楽しみです。
写真左の階段は、パッサージュのガラス天井の上へと繋がる階段です。一般に人は入ることはできませんが、通りから丸見えのオープンな作りなのもすてきですね。
そして右の写真を見ると、ガラス天井のすぐ下にいくつか通路が通っているのがわかりますか?
階段を上っていくと、この通路まで行くことができるんです。
通路からパッサージュを眺めたらまた違った景色が見えるのでしょうね。関係者以外立入禁止なのがとても残念です。
INFORMATION
公式サイト・・・PASSAGE DU GRAND CERF
営業時間・・・月曜日〜土曜日 8:30〜20:30
アドレス・・・145 Rue Saint-Denis, 75002 Paris