パリ旅行を計画しているみなさん「ヴァンドーム広場」という名前を聞いたことはありますか?きっと映画や小説で名前だけは聞いたことがあるかもしれません。でも実際にどんな場所なのか、なぜそれほど有名なのか、知らない人も多いのではないでしょうか。
この美しい広場は、パリの中心部にある「ラグジュアリーの聖地」とも呼ばれる特別な空間です。世界中のセレブリティや富裕層が憧れる高級ジュエリーブランドが軒を連ね、フランスの歴史と優雅さが息づく場所。今回は、そんな魅力たっぷりのヴァンドーム広場について詳しくご紹介します。
目次
ヴァンドーム広場とは
ヴァンドーム広場(Place Vendôme)は、パリ1区にある美しい広場です。周囲を統一された美しい建物で囲まれ、中央には高さ44メートルの壮大な円柱がそびえ立っています。
現在では世界でもっとも権威のある高級ジュエリー広場として知られるヴァンドーム広場。世界的なジュエリーブランドや高級ホテルが集まり、ほかのエリアとは違うラグジュアリーな空気が流れています。広場に一足踏み入れれば、すぐに空気の違いを感じるはずですよ。
広場の設計は、ルイ14世時代の建築家ジュール・アルドゥアン=マンサールによって手がけられました。統一的なファサード計画で、コロニアルな柱とクラシカルな装飾が特徴のファサードが設けられました。
広場は長方形のようですが、四隅をよく見ると角ではなく面になっていて、八角形に近い形になっているのも特徴的です。
ヴァンドーム広場はどこにある?
ヴァンドーム広場は、パリの中心部である1区に位置しています。最寄りの地下鉄駅は、1号線・8号線・12号線が乗り入れるチュイルリー駅から徒歩約10分程度です。
オペラ座からは徒歩約7分、ルーヴル美術館からは徒歩約15分という抜群のアクセスのよさも魅力の一つです。また、高級ショッピング街のサントノレ通りにも近く、パリ観光の拠点として訪れやすい立地にあります。
ヴァンドーム広場への行き方
ヴァンドーム広場はパリ中心部にあり、地下鉄で簡単にアクセスできます。地下鉄1番線のチュイルリー駅もしくは、地下鉄3・7・8番線が通るオペラ駅から徒歩5分ほどです。
\ チケットを事前予約して効率よく観光しよう! /
ヴァンドーム広場の歴史
この場所は元々「ヴァンドーム公爵(Duc de Vendôme)」の邸宅と庭園があった場所でした。広場の名前のヴァンドームは彼に由来します。
1698年頃にルイ14世がヴァンドーム公爵の土地を購入し、この土地を広場として整備する計画が動き始めました。これがヴァンドーム広場の始まりです。
ルイ14世が始めた広場の整備計画は長い年月がかかり、完成したのは1720年頃といわれています。すでにルイ14世は亡くなっていて、自身が望んだ王権を象徴する都市型広場を見ないまま人生を終えました。
当初は「征服広場(Place des Conquêtes)」と名付けられましたが、後に「ルイ大王広場(Place Louis-le-Grand)」へと変更されています。さらにフランス革命期には「ピケの広場(Place des Piques)」、19世紀には「国際広場(place Internationale)」と何度も名前が変わっています。
1810年にはナポレオン1世により、現在も広場の中心にある円柱が建てられます。円柱はパリ・コミューン期の1871年に破壊されますが、その後復元され、現在の形になりました。堂々と立つ姿は、今ではこの広場のシンボル的存在です。
18世紀初頭、広場を囲む建物は貴族や富裕層の邸宅や官庁(司法省など) として使われていました。この当時の広場は「王権と国家権力の象徴」であり、商業的な場所ではありませんでした。
1853年〜1870年のパリ改造時代にパリの街の雰囲気はガラッと変わります。中心部の広場や大通りに高級商店が集まるようになったのです。
1898年に広場の一角に「リッツ・パリ(Hôtel Ritz Paris)」が開業。これが大きな転機となって、ヴァンドーム広場はヨーロッパの王族・貴族・著名人を惹きつける国際的な社交場となりました。以降、ヴァンドーム広場は「超富裕層が集まる場所」としての性格を強めていきます。
1900年代初頭から、ジュエリーブランドや時計ブランドがこぞってヴァンドーム広場に店を構え始め、現在のようなラグジュアリーな広場へと繋がりました。
\ パリ観光のマストスポット! /
ヴァンドーム広場の魅力

円柱
ヴァンドーム広場の中央にそびえ立つ「ヴァンドーム円柱(Colonne Vendôme)」は、この広場の最大のシンボルです。高さ44メートルのこの円柱は、1806年にナポレオン1世の命令により建設が始まり1810年に完成しました。
円柱はローマのトラヤヌス帝記念柱をモデルにしていて、アウステルリッツの戦いでオーストリア・ロシア連合軍に勝利したナポレオンの功績を称えるために建てられました。円柱の表面には、戦争の場面を描いた青銅製のレリーフが螺旋状に巻かれていて、その青銅は敵軍から奪った大砲を溶かして作られたといわれています。
円柱の頂上には、ローマ皇帝の装いをしたナポレオンの銅像が置かれています。この円柱は1871年のパリ・コミューンの際に破壊されましたが、1874年に再建され、現在に至っています。
\ルーヴル美術館を日本語でお得に予約!/
高級ジュエリーブランドが集結


ヴァンドーム広場は、世界でも指折りの高級ジュエリー街として知られていて、数々の名門ブランドが軒を連ねています。
💎ヴァンドーム広場にあるラグジュアリーブランド一覧
これらの名門ブランドが集まることで、世界中の富裕層やジュエリー愛好家にとっての憧れの地となったヴァンドーム広場。
ヴァンドーム広場に最初にお店を構えたジュエリーブランドはブシュロンで、1893年だといわれています。ミキモト・パールで世界に名を知られるミキモトもヴァンドーム広場にショップを構えていますね。
ちなみに日本で世界5大ジュエリーブランドと呼ばれている「ハリー・ウィンストン、ティファニー、ブルガリ、カルティエ、ヴァン・クリーフ・アーペル」のうち、ハリー・ウィンストンとティファニーはヴァンドーム広場にショップがありません。
ティファニーはヴァンドーム広場から続くペ通りにショップがあり、ハリー・ウィンストンはモンテーニュ通りにショップがあります。
Klook.com同名の映画もある
ヴァンドーム広場は映画の舞台としても有名です。もっとも知られているのは、1998年にニコル・ガルシア監督によって制作されたフランス映画「Place Vendôme(プラス・ヴァンドーム)」です。
この映画は、カトリーヌ・ドヌーヴ主演で、アルコール依存症の未亡人が、夫が不正に手に入れた宝石を夫の死後に売りさばこうとする犯罪ドラマとして描かれています。ヴァンドーム広場の高級宝飾店街を舞台に、華やかなショーウィンドウの裏に隠された夜の世界と秘密を描いた作品です。
そのほか、2011年の映画「最強のふたり」やNetflixドラマの「ルパン」でもヴァンドーム広場が登場しています。どちらもパリを舞台とした作品で、旅行前に見ればさらにパリの街を楽しむことができるおすすめの作品です。
ヴァンドーム広場とその周辺の治安

ヴァンドーム広場の魅力がわかったところで、広場周辺の治安についてご紹介します。パリ旅行では治安に対する不安や心配がつきもの。場所によって治安には差があるので、今回はヴァンドーム広場周辺に焦点を当ててみていきます。
パリ全体の治安について知りたい人はこちらから⬇️
ヴァンドーム広場は、パリの中でも比較的治安のいいエリアとして知られています。高級ブランド店が多く立ち並ぶため、警備も厳重で、昼間の観光であれば特に心配する必要はありません。
ただし、観光地として多くの人が訪れる場所でもあるため、スリや置き引きには注意が必要です。街を歩くときは常に自分の荷物の管理に気を払いましょう。
夜間については、広場周辺は比較的明るく、大通りも近いため、極端に危険ということはありませんが、人通りの少ない脇道は避けるのが賢明です。
ヴァンドーム広場周辺の治安
・治安は良好(高級ショップが並ぶため警備も厳重)
・昼間は安心して歩ける
・安心ではあるが、観光客狙いのスリなどには注意
・暗い脇道や人通りの少ない道を歩けば、夜でも比較的安心
クリスマスイルミネーションは必見


ヴァンドーム広場のクリスマスイルミネーションはパリの冬の風物詩。毎年11月末から1月初旬にかけて、広場全体が美しい光で包まれ、まるでおとぎ話の世界のような幻想的な空間に変身します。統一された景観とイルミネーションでそれは美しいクリスマスイルミネーションが見られます。
各ラグジュアリーブランドも趣向を凝らしたウィンドウディスプレイを展開し、ショッピングをしなくても十分に楽しめる美しい景観を作り出しています。この時期にパリを訪れる予定の方は、ヴァンドーム広場のイルミネーションをお見逃しなく。
近年はリッツ・パリのスタンドが広場に立つなど、イルミネーション以外の楽しみも。今年もクリスマスの時期が楽しみです。
寒い夜も、温かい光に包まれた広場を歩けば、パリの冬の魅力を存分に感じることができますよ。周辺のカフェで温かい飲み物を楽しみながら、この美しい光景を眺めてくださいね。
ヴァンドーム広場は、パリの歴史と現代のラグジュアリーが見事に融合した特別な場所です。ショッピングはもちろん、建築美の鑑賞や映画のロケ地巡りとしても楽しめる、パリ観光には欠かせないスポットの一つです。次回パリを訪れる際は、ぜひこの美しい広場に足を運んでみてくださいね。