ヨーロッパ以外の文化・芸術作品を展示する、パリでは珍しい美術館です。
フランスを始めとする西洋の文化とは全く違ったアート作品を見ることが出来ます。
ケ・ブランリ美術館完成の背景
ケ・ブランリ美術館の創設には、二人の人物が大きく関わっています。
日本芸術愛好家でもありアジアやアフリカの民族芸術にも造詣の深かったジャック・シラク元フランス大統領。
そして原初美術研究家であったジャック・ケルシャシュ。
この二人が出会ったことが、美術館の誕生へと繋がりました。
ケルシャシュはアフリカ芸術に関する著書を持ち、ルーヴル美術館に原初美術部門を設立するために尽力するなど、ヨーロッパ以外の芸術にも正当な評価を与える必要性を訴えてきた人物です。
そして、シラク元大統領も芸術に序列は存在せず世界中のすべての文化には等しく敬意が払われるべきと考えていました。
芸術に関して共通の認識を持った二人が出会い、シラクが大統領になった1995年にケ・ブランリ美術館の設立準備が開始され、2006年にケ・ブランリ美術館は完成しました。
見どころ
館内の展示作品は35万展にも及び、映像やビデオなども多くあるので、見学には比較的時間がかかります。
時間には余裕を持っておきましょう。
オセアニア部門
オセアニア各地域の民族の芸術作品が展示されています。
儀式や死者の埋葬のための道具、仮面などを見ることが出来ます。特徴的な素材や装飾をじっくり鑑賞しましょう。
アジア部門
アジア部門で注目なのは豊富なテキスタイルコレクションです。
他部門にもテキスタイルコレクションはありますが、アジアのテキスタイルは機織りの技術や刺繍の技術などに芸術性の高さが見られます。
自然に溶け込む建物と庭園
建築家ジャン・ヌーヴェルによって設計された建物は、くすんだ赤・橙・紫に塗られたボックスが不均等に飛び出す一風変わったファサードになっています。
景観建築家ジル・クレモンによって造られた庭園は1万8,000平方メートルの広さがあります。
収蔵作品の故郷の風景に近いものを作るために、様々な種類の植物や木が植えられています。
その間を縫うようにくねくねと作られた小道を散歩するのも楽しいですよ。
庭園の中にはカフェレストランもあり、自然に囲まれて食事やカフェが楽しめます。
基本情報
ケ・ブランリ美術館 / Musée du quai Branly – Jacques Chirac
- アドレス
- 37 Quai Branly, 75007 Paris
- 営業時間
- ◆美術館
- 10:30〜19:00
- ◆庭園
- 10:30〜19:00
- 夜間営業日
- 木曜日
- ◆美術館
- 22:00まで
- ◆庭園
- 22:15まで
- 定休日
- 月曜定休、5月1日、12月25日
- (教育機関のバカンス期間中は月曜も営業。詳しい日付は公式サイトよりご確認ください。)
- 美術館入場料
- 12€
- (18歳未満は無料)
- 第一日曜日無料
- チケット購入はこちらから ⇒ ケ・ブランリ美術館チケット予約公式サイト
- パリ・ミュージアムパスの利用
- 可能
- 公式サイト
- ケ・ブランリ美術館
- 最寄り駅
- ◇地下鉄6番線
- ビラケム(Bir Hakeim)駅
- ◇地下鉄8番線
- エコール・ミリテール(Ecole Militaire)駅
- ◇地下鉄11番線
- アルマ・マルソー(Alma-Marceau)駅 または イエナ(Iéna)駅