古き良きパリの雰囲気が残るパッサージュ。
パリ観光でパッサージュ巡りをされる方も多いのではないでしょうか。
壁や床の美しい装飾に、ガラス屋根から陽が降り注ぐパッサージュでは、雨の日でも濡れずにウィンドウショッピングが楽しめるのも利点の一つですよね。
パッサージュといえばアーケードで覆われた通路のことを指しますが、パリには珍しくアーケードに覆われていないパッサージュがあるのをご存知ですか?
正確にはパッサージュではないかもしれませんが、パッサージュという名を持つ、秘密の通路のような通りをご紹介します。
パッサージュ・ド・ランクル / Passage de l’Ancre
パリ3区にある長さ50mほどの小さな通りが、アーケードに覆われていないパッサージュ、パッサージュ・ド・ランクルです。
テュルビゴ通りとサン・マルタン通りを結ぶ、緑に囲まれたひっそりとした隠し通路のようなパッサージュです。
他のパッサージュのように、きれいなガラス天井や凝った装飾の壁も床もありませんが、この細い石畳の田舎道のような雰囲気がたまりません。
大きなパリのアパルトマンの間に埋もれて、ここだけ時がとまったような、懐かしさを感じるパッサージュです。
なにもない小道のようにも見えますが、両脇にはちゃんとお店が入っています。
Pep’sという、今では珍しい傘の修理屋さんや、美容院などが並んでいます。
お店の間口はどれも小さく、植物の緑とカラフルな店構えがとても可愛らしいです。
最初の写真の奥に見えるのが、サン・マルタン通りに面する入り口です。
普通のアパルトマンの入り口のような扉で、気づかずに通り過ぎてしまいそうです。
この奥に道が繋がっているとは思えないような入り口で、入るのをためらってしまいますが大丈夫。奥に進めばすぐにお店が見えてきます。
2つ目の写真の青い門がテュルビゴ通りの入り口です。
こちらはしっかりPassage de l’Ancreと書かれて、パッサージュらしい入り口ですね。
どちらの入り口も、アパルトマンを通り抜けるように設置されているのがわかるでしょうか?
パリのパッサージュの特徴として、既存の建物をくぐってパッサージュの通路が作られていることが挙げられます。
その点ではパッサージュ・ド・ランクルも当てはまっているので、れっきとしたパッサージュだということが出来ますね。
観光地だけではなく地元の人しか知らないような秘密のパリも覗いてみたい方は、ぜひ訪ねてみてください。
週末は閉まっていることも多いようなので、訪れるなら平日がいいかもしれません。
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