パッサージュ・ヴェルドー / Passage verdeau
パリ9区のグランジュ・バトゥリエール通りとフォーブール・モンマルトル通りの間にあるのが、パッサージュ・ヴェルドーです。
名前のヴェルドーは創始者の名前を取っています。
このパッサージュ・ヴェルドーがある地区は、パリの中でもたくさんパッサージュが残っているエリアでもあります。
まず、パッサージュ・ヴェルドーを出て、フォーブール・モンマルトル通りを渡ると、パッサージュ・ジュフロワという別のパッサージュに繋がっています。
そして、パッサージュ・ジュフロワを通り抜けてモンマルトル通りを渡ると、さらにもう一つのパッサージュ、パッサージュ・デ・パノラマがあります。
なんとここは、異なるパッサージュが三つ一直線に並んでいるんです。(少し歩くと、この他にもパッサージュがいくつかあります。)
もともと一つのパッサージュだったということではなく、作られた年もパッサージュ・デ・パノラマが1799年、パッサージュ・ジュフロワが1836年、パッサージュ・ヴェルドーが1846年と別々で、それぞれ雰囲気も違うパッサージュです。
どのパッサージュも、今でもたくさんの観光客が訪れる人気のスポットです。
大人な雰囲気漂うパッサージュ・ヴェルドー
このパッサージュ・ヴェルドーは三つのパッサージュの中でも最も大人な雰囲気のパッサージュです。
パッサージュの建築スタイルや両脇に並ぶアンティークショップなどが、そういった雰囲気を作り出しています。
パッサージュ・ヴェルドーはネオクラシック様式の建築物。
ネオクラシック様式とは、直線的なラインとシンメトリーが特徴で、装飾には月桂樹やアラベスク、草花や果物を用いたガーランド、リボン飾りなどが使われます。
ネオクラシックが流行る前にフランスで主流となっていたロココ調と比べると、甘すぎずシンプルなスタイルといったところ。
ネオクラシック初期の代表的な建造物には、マリー・アントワネットのプチ・トリアノンなどが挙げられます。
このようにエレガントなモチーフが装飾に用いられながらも直線的なデザインになっていることで、落ち着いた大人っぽい雰囲気のパッサージュになっています。
1846年の建築からパッサージュはほとんど変わっておらず、19世紀のパリの貴重な建造物でもあります。
アンティークショップが並ぶパッサージュ・ヴェルドー
パッサージュ・ヴェルドーには古書店、昔の写真の販売や修理を行うお店、アンティークのインテリアショップやアートギャラリーなど、古いものやアート作品を扱うお店がたくさん並んでいます。
これには理由があり、パッサージュから徒歩2,3分のところにオークションハウスがあるためなんです。
フォーブール・モンマルトル通りのパッサージュ入り口を出て右に進むと、突き当たりドゥルオー通りに出ます。そのドゥルオー通りにある大きな建物が、オークションハウス、オテル ドゥルオー(Hôtel Drouot)です。
オテル ドゥルオーは世界で最も規模の大きいオークションハウス。
日曜を除いて毎日、オークションが開催されており、アート愛好家たちにとってとても重要な場所となっています。
オテル ドゥルオーがこの場所にオープンしたのは1980年のこと。
これをきっかけに多くの骨董商らがパッサージュ・ヴェルドーに店を開くようになり、世界中のアートコレクターやアンティーク収集家などを惹きつけるようになりました。
そして現在でも、多くのアンティークショップが並ぶパッサージュとして人々を惹きつけています。
INFORMATION
公式サイト・・・PASSAGE VERDEAU
営業時間・・・月曜〜金曜 7:30〜21:00 / 週末 7:30〜20:30
アドレス・・・7 Pass. Verdeau, 75009 Paris