パリ旅行を計画している方の中には、パリの治安について不安を感じている方も多いのではないでしょうか。パリは軽犯罪が多く、観光客を狙ったスリなどが多いのは事実です。
今回はエリアごとの危険度などをマップとともにご紹介していきます。
被害が多くでているエリアやエリアごとの犯罪の傾向を知って、対策を取りましょう。
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窃盗被害による治安マップ
次のマップは、窃盗(ケガなどの被害はないもの) の発生件数から、区ごとの発生率を表したものです。
住民1,000人あたりのパリ市内の窃盗被害は平均で56,8件(2022年)。その平均からどれだけ差があるかを表しています。赤系色で示した場所は平均よりも発生率が高いエリア、青系色で表した部分は平均よりも発生率が少ないエリアです。
観光地での窃盗に注意!
❝もっとも発生率が高い1区・8区❞
このマップを見ると、1区が飛び抜けて窃盗の発生率が多いことがわかります。1区にはルーヴル美術館、パレ・ロワイヤル庭園、オランジュリー美術館など人気の観光地がたくさん。
さらに、サントノレ通りやリヴォリ通りなど、ショッピングエリアもあります。観光客だけでなくパリジャンも多く集まるのでどこへ行っても人が多く、スリやひったくりの被害に遭いやすいことが容易に想像できます。
次に発生率が高いのは8区。8区はコンコルド広場から凱旋門までです。もっとも有名な観光地であるシャンゼリゼ通りがあり、やはりここも観光客が多く集まるエリアです。
さらにグラン・パレとプチ・パレ、最近オープンしたギャラリーディオールなど美術館も多く、シャンゼリゼ通りから美術館へのルートを取る観光客も多いでしょう。
そして一見安全そうに見える美術館の中も、スリに注意しなければいけません。窃盗犯は美術館のなかでも観光客を狙っているんです。
作品や写真撮影に夢中になっているうちに、置き引き被害に遭う可能性があります。特にルーヴル美術館は広大で人も多く、疲れから注意力が散漫になりがちです。絵を観ているときやベンチで休憩しているとき、必要以上に距離を詰めてくる人がいたら要注意です。
Klook.com❝飲食店が多い2区・4区❞
続いて発生率が高いのは、2区と4区。2区にはオペラ地区があり、日本食レストランが多く集まります。オペラ地区から東へ進むとモントルグイユ通りがあり、周辺にはレストランやカフェがたくさん。さらにクラブやバーが集まるボンヌヌーベルも2区です。
飲食店で注意したいのは置き引き被害です。日本では、上着や貴重品以外の荷物をおいて席取りをしたりしますが、フランスではこれも危険な行為です。まさかこんなものが?というものでも盗まれることがあるので、荷物を置いたまま席を離れないようにしましょう。
テラス席や道路に面した席では、席についた状態であっても貴重品やスマホなどをテーブルに置いたり空いたイスにおいておくのは危険です。通りすがりに盗まれてしまうことがあるからです。人から見えにくい場所に置いたり道路と反対側に置くなどしましょう。
4区はノートルダム大聖堂、パリ市庁舎などこちらも名所が集まっています。また、ショッピングに人気のマレ地区は3区から4区にまたがります。マレ地区も飲食店が多いので、置き引きには注意しましょう。
こうしてみると、被害が多いエリアはパリの中心部に集まっているのがはっきりわかります。そして外側や目立った観光地がない場所ほど窃盗の発生率は少なめです。18区で被害が多いのは、人気の観光地モンマルトルがあるためと考えられます。
Klook.com地下鉄でのスリ
発生率の高い1区・8区・4区は地下鉄1番線が、18区・10区・2区・1区・6区は地下鉄4番線が走っています。
どちらも多くの観光地を結んでいるので、観光客にとってとても便利な線。乗客における観光客の割合が多く、スリの出没率も高くなっています。このエリアで窃盗の発生率が高いのは、このあたりの事情も関係しているのではないかと思います。
在仏日本大使館によると、日本人がもっとも被害に遭っているのはスリ、続いて置き引きだそう。特に混んでいる車内では、バッグの開け口から手を離さないなど、対策を取りましょう。
このマップだけを見ると、青系色で塗られたエリアは他のエリアと比べて安全に見えますが、そうとは限りません。次は傷害事件の発生率別のエリアマップを見ていきましょう。窃盗とは違う危険エリアが見えてきます。
傷害事件による治安マップ
次のマップは、傷害事件の発生件数からエリア別に発生率を色分けしたものです。
窃盗の治安マップと同じく、赤系色は平均値よりも発生率が高いエリア、青系色は発生率が平均を下回るエリアです。
セーヌ右岸での発生率が高め
傷害事件に関しても、もっとも発生率が多いのは1区と8区です。どちらも観光エリアで飲食店も多いので夜遅くまで人出がありますが、にぎやかな通りを外れると人けがなく暗い通りもあります。夜遅くの単独での外出や人けのない道を通ることは避けましょう。
さらに、発生率が平均値よりも高いエリアはセーヌ右岸(北側)にかたまっていることが読み取れます。そしてそれらは観光地や主要駅があるエリアにほぼ合致します。
発生率が低いエリアは、住宅街が多く繁華街などは少ない比較的静かなエリアです。治安面から見ると、ホテルを取るなら左岸がおすすめです。特に6区・7区はおしゃれなショップが多く、ショッピングにはうってつけ。パリらしい建物が多く、街並みもすてきですよ。
Klook.com実際の被害件数との違い
このマップは1000人あたりの傷害事件発生率をマップ化したものであり、実際の被害件数で見ると少し変わってきます。
発生件数(2022年)では、もっとも多いのが18区で1158件、続いて19区の1021件、3番目に多いのが12区の916件です。
特に19区は観光地ではないため、被害にあっているのは観光客ではなく地元住民などであることが想像できます。しかし危険に巻き込まれる可能性があるので、特に夜はこのエリアに近づくのはやめましょう。
18区にはモンマルトルエリア、19区には緑豊かな公園など魅力的な場所もありますが、少し離れると危険な場所に入り込んでしまう場合もあります。特に一般的に治安がよくないとされている18区(バルベス、シャトールージュ周辺)19区(環状道路周辺)あたりにホテルなどをとるのは避けたほうがいいでしょう。
被害にあった場合は
パスポートを盗まれるなどの被害に遭った場合は、在仏日本大使館での手続きが必要になります。大使館のサイトに手続きの方法が記載されています。