パリといえば美術館は欠かせない観光スポットですよね。
パリにある美術館の数はなんと50以上。こんなにあると、どの美術館へ行こうか迷ってしまいますよね。
そこで今回はテーマ別にパリの美術館ランキングをご紹介!
どの美術館へ行こうか迷っている方はぜひ参考にしてくださいね。
みんなが行ってる定番美術館
まずは人気の定番美術館から!
こちらは2019年の入場者数をもとにしたランキングになっています。
美術館の人気度・満足度が入場者数という数字ではっきりと示されているので、とにかくみんなが行っている人気の美術館に行きたい!という方はぜひこのランキングを参考にしてみてください。
第5位からの発表です。
(参考:Fréquentation des Musées de France)
5位 ケ・ブランリ美術館 / Musée du quai Branly
まず第5位はヨーロッパ以外のアジアやアフリカ、オセアニア諸国の文化にスポットを当てたケ・ブランリ美術館です。
自分たちの国とは全く違うアートや文化が、多くのヨーロッパからの観光客を惹きつけているのではないかと思います。
また、アフリカの文化などに触れる機会が少ない私たち日本人にとっても、異文化を感じることのできる興味深い美術館です。
展示内容は、各地域の生活道具、祭祀の仮面や装束をはじめ、民族衣装や織物などのテキスタイル、楽器、宝飾品、彫刻、現代絵画、写真や映像を利用した資料など幅広い内容になっています。
2019年の入場者数は110万人です。
4位 軍事博物館 / Musée de l’Armée
軍事博物館はアンヴァリッド内にある美術館です。もともと廃兵院として建てられたアンヴァリッドの大部分が、現在は軍事博物館となって公開されています。
博物館にはその名の通り武器や軍服など軍事関連の展示物が並んでいます。
さらに、政治的・軍事的権力を象徴する宝飾品やオブジェ、その時代を描いた絵画などの芸術作品も展示されていて、幅広い展示内容となっています。
古代から現代まで全ての時代を網羅するコレクションで、フランスだけでなく世界の軍事史について知ることができます。
アンヴァリッドの敷地内には、ナポレオンの棺が置かれたドーム型教会と大聖堂もあり、博物館の入場チケットでこれら全てを見学することができます。
2019年の入場者数は120万人。
3位 ポンピドゥー・センター 国立近代美術館 / Le Centre Pompidou
ポンピドゥー・センターはジョルジュ・ポンピドゥー元大統領の提唱で作られた複合文化施設です。
そしてそのなかに入っている施設の一つが国立近代美術館です。
国立近代美術館では、常に数種類の特別展が行われています。それが多くの来場者を呼んでいる理由かもしれません。一年の間にいつくもの特別展が開催されるので、何度行っても楽しめるのは魅力的ですよね。
2019年は330万人の入場者数を記録しています。
ポンピドゥー・センターは、パイプを建物の外側に装飾の一部として組み込んだかなり個性的な建物。オープン当時はその奇抜な外観で賛否両論ありましたが、今では観光客にもパリジャンにも人気の場所となっています。
ポンピドゥー・センターには美術館の他に映画館、図書館、ブックストアなどが入っています。ブックストアはアート系の本が充実しているので、お土産にアートブックなどを探している方におすすめです。
2位 オルセー美術館 / Musée d’Orsay
2位は昔の駅舎を再利用して作られたオルセー美術館です。
オルセー美術館といえば、パリでルーヴル美術館についで人気の美術館。
駅舎の名残がところどころに見られる建物や充実した絵画コレクションが人気で、バカンス時期には長蛇の列ができる美術館の一つです。
オルセー美術館で展示されているのは主に19世紀のヨーロッパ美術。ドラクロワ、ミレー、モネ、ルノワールなど、皆さんも聞いたことがある芸術家の作品が多く展示されています。
これらの芸術家の名前からわかるように、アートに詳しくない人でも親しみやすい作品選定と見やすい展示方法が、多くの人を惹きつけている理由。展示作品は絵画だけでなく、彫刻、宝飾品、工芸品など多岐にわたります。
建物の中央は吹き抜けになっていて、開放感あふれる作り。併設のカフェもおしゃれでおすすめです。
2019年のオルセー美術館の入場者数は365万人を記録しています。
1位 ルーヴル美術館 / Musée du Louvre
1位は2019年の入場者数960万人を記録したルーヴル美術館です。これは多くの人の想像通りではないでしょうか。やはりパリに来たらルーヴル美術館は外せませんよね。
来場者のうち75%がフランス国外からの観光客、25%がフランス人なのだそう。多くの外国人観光客が訪れていることがよく分かりますね。
2位のオルセー美術館とは入場者数に倍以上の差があることから、ルーヴル美術館には多くの人が訪れますが、その他の美術館の人気は分散している、または他の美術館には行かない方もいるのかなと想像できます。
定番美術館ランキングの1位から3位の美術館の中では、ヨーロッパ芸術など展示作品が重複する分野は年代別で以下のように展示分担がされています。
ルーヴル美術館
1848年革命(ヨーロッパ中で起こり、ウィーン体制崩壊のきっかけとなった革命)の起こった1848年以前の芸術作品
オルセー美術館
1849年以降から第一次世界大戦が勃発した1914年までの芸術作品
ポンピドゥー・センター 国立近代美術館
1915年以降の芸術作品
もちろん例外はありますが、このようにざっくりと時代分けがなされています。この3つの美術館を回れば、すべての年代のヨーロッパ芸術を堪能できることになります。
どの美術館を回ろうか悩んでいる方には、最低でもこの3箇所を回るのがおすすめですよ。
※以下のランキングはparis magazine管理人の独断と偏見によるランキングになっています。
印象派を堪能するならこの美術館
みなさんはどんなジャンルの絵画が好きですか?印象派が好き!という方は多いのではないでしょうか。
パリの中には印象派の画家の作品を中心に展示する美術館がいくつもあるので、その中からおすすめトップ3をランキングにして紹介していきます。
3位 オランジュリー美術館
オランジュリー美術館といえば、印象派を代表する画家モネの「睡蓮」ですよね。
「睡蓮」のために作られた特別展示室で、8枚の睡蓮が楽しめます。オーバル型の展示室は白を貴重にしたシンプルな造りで、作品に集中することができます。
その他にはルノワールやセザンヌらの印象派の作品も見ることができます。超有名作品を収蔵していながら、それほど混まないのもポイント。ゆったりと鑑賞できますよ。
印象派以外では、印象派以降に生まれた19世紀〜20世紀の絵画が展示されています。
2位 マルモッタン・モネ美術館
16区の端にあるマルモッタン・モネ美術館は、モネの作品を中心に印象派の作品を収蔵している美術館です。
世界最大級のモネのコレクションを収蔵しており、“印象派”という呼び名のもとになった、モネの「印象・日の出」を展示していることでも有名です。
もともと邸宅だった建物を改装して作られた美術館は、各展示室も邸宅の面影が残る素敵な作り。特にモネ好きにはたまらない美術館です。
1位 オルセー美術館
1位はパリの美術館で2番に多い入場者数を誇るオルセー美術館です。
「みんなが行ってる定番美術館」でも紹介した通り、オルセー美術館では1849年以降から第一次世界大戦が勃発した1914年までの芸術作品が展示されています。
印象派が生まれたのは1860年代なかばで、全盛期は70年〜80年。パリを代表する美術館のなかでは、印象派の作品はオルセー美術館にまとめて展示されていることになります。
ルノワール、セザンヌ、シスレー、ピサロ、ドガなど、印象派を代表するほとんどの画家の作品が展示されています。
印象派の絵画を満喫したい方はぜひ行ってみてください。
コンテンポラリーアートが楽しめる美術館
最近は現代アート美術館や、特別展として現代アートを取り入れる美術館も多くなっています。
日本ではまだまだ現代アートに触れる機会が少ないので、芸術の都パリで現代アートを満喫したいという方におすすめのランキング。
有名どころの美術館は行き尽くしたので、ちょっと違うジャンルの美術館に行きたいという方にも。
3位 フォンダシオン ルイ・ヴィトン / Fondation LOUIS VUITTON
ブローニュの森の中にある、ルイ・ヴィトンが運営する近現代アートの美術館です。
過去にはバスキア、エゴン・シーレ、シチューキンなどの特別展を行ってきました。また、ニューヨーク近代美術館MoMAの特別展も数回行っています。
アートの特別展の他にも、コンサートや体験アトリエなども行っているユニークな美術館です。
そして展示内容だけでなく、船をイメージして建てられた美術館の建物自体も建築物として高い評価を受けています。屋上テラスから見える景色もおすすめ。
2位 カルティエ財団現代美術館 / Fondation Cartier pour l’art contemporain
カルティエ財団現代美術館とは、現代アートを支援するためにカルティエが設立した美術館。美術館ではさまざまな現代芸術アーティストを取り上げて企画展を行っています。
アーティストのジャンルは様々で、絵画、建築、映像、写真、オブジェなど多岐にわたります。その表現方法もモチーフも様々で、新しい視点でアートを楽しみたい人にはぴったりの美術館です。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンよりもさらに現代のアートにフォーカスした美術館となっています。
年に2〜3の企画展を行っているので、現代アートに興味がある人はどんな企画展が行われているかぜひチェックしてみてください。
1位 ブルス・ド・コメルス / Bourse de Commerce
第1位は2021年にオープンしたばかりのブルス・ドゥ・コメルス。
パリの中心にあるのでアクセスもよく、週末には入場の列ができるほど人気の美術館となっています。
展示されているのは、フランス人実業家のフランソワ・ピノー氏がこれまでに収集した現代アートコレクションです。
展示作品は、絵画、彫刻などのオブジェ、写真、音響作品など、多岐にわたります。一味違うユニークな美術館に行きたい方には特におすすめ。
また、美術館の建物は以前は商品取引所として使われていたもので、歴史的建造物にも指定されています。改装には日本を代表する建築家 安藤忠雄氏が携わりました。
歴史ある建築物の美しさを活かしながらも、現代アートとマッチした展示空間になっていてその点も見どころ。
建物自体もアートの要素を持っていて、建築物と現代アートが融合しているところもこの美術館の面白いところです。
フランスブルジョワの豪華な暮らしぶりを堪能できる美術館
貴族に匹敵するほどの富を持ち、優雅な暮らしを送ったブルジョワ。彼らの邸宅に作られた贅沢な美術館をご紹介します。
絵画などの芸術作品に加え、豪華な生活用品や贅沢品などが展示されているのがポイントです。展示作品だけでなく、美術館の建物自体もこだわって作られた邸宅なので、各展示室の装飾も見応えがあるものばかり。
ブルジョワの暮らした空間にそのまま足を踏み入れたような感覚になる、豪華な美術館です。
2位 ニシム・ド・カモンド美術館 / Musée Nissim de Camondo
モンソー公園のすぐ側にあるモイズ・ド・カモンド伯爵の個人邸宅に作られた美術館です。
ヴェルサイユ宮殿のプチ・トリアノンをモデルに作られたという邸宅は、ファサードがシンメトリーに作られた瀟洒な邸宅。
館内には、18世紀の調度品や芸術品の愛好家だったモイズ伯爵のコレクションが展示されています。
豪華な調度品で装飾された寝室やサロン、図書館などだけでなく、使用人のためのキッチンや小部屋なども見学することができ、当時の贅沢な暮らしぶりが感じられます。
美術館としてはそれほど大きくはありませんが、その中に貴重なコレクションが凝縮して展示されており、見ごたえたっぷりです。
1位 ジャックマール・アンドレ美術館 / Musée Jacquemart-André
裕福な銀行家のもとに生まれたエドゥアール・アンドレと、自画像画家として活躍したネリー・ジャックマール夫妻の邸宅に作られた美術館です。
夫妻はともに芸術愛好家で、アートコレクションが共通の趣味だったのだそう。子供のいなかった二人はアートコレクションに情熱を注ぎ、多くの作品を収集しました。
美術館にはそんな二人が収集した18世紀の絵画作品を中心に数々の芸術品が展示されています。
美術館オープンは二人の意思によるもので、展示方法や展示場所にも二人のこだわりが詰まっています。
19世紀に建てられた邸宅は、個人所有とは思えない豪華な造り。夫妻のセンスが光る品のある内装と空間もみどころです。それぞれ趣の異なる部屋は何度訪れてもため息の出る美しさです。
モード・インテリア系展示が充実の美術館
パリといえば多くの有名メゾンを生み出した街。オートクチュールコレクションやモードの歴史を展示する美術館ももちろんあります。
デザインやモードに興味がある方にぜひ訪れてほしい美術館をランキングにしました。
3位 イヴ・サンローラン美術館 / Musée Yves Saint Laurent Paris
イヴ・サンローランがアトリエとして使用していた建物を改装して作られたイヴ・サンローラン美術館。
館内にはイヴ・サンローランの仕事場が再現されており、どんな環境で彼が美しいコレクションを生み出してきたのか間近に見ることができます。
最大の見どころである貴重なオートクチュールコレクションやアクセサリーはため息が出るほどの美しさです。
2位 パリ装飾美術館 / Musée des Arts Décoratifs
服飾だけでなく世界各国の家具インテリアを展示していて、インテリアやデザインに興味のある人にぜひ訪れてほしいのがパリ装飾美術館です。
国別・時代別に展示されたコレクションは、デザインの移り変わりがよく分かり興味深いところ。コレクションの数も豊富で見ごたえがあります。
そして服飾に興味がある人にチェックしてほしいのは、パリ装飾美術館の特別展です。モードに関わる特別展を開くことが多く、過去にはDiorのコレクション展示などが行われています。
美術館へ行く前にはぜひ公式サイトでどんな特別展が行なわれているかチェックしてくださいね。
1位 ガリエラ美術館 / Palais Galliera
以前は不定期に開催される企画展のときだけ一般客を受け入れていたガリエラ美術館。
2021年より常設展が設置され、いつでもガリエラ美術館が保管する貴重なモードのコレクションを見学できるようになったことから、今一番足を運んでほしいモード系美術館に選びました。
ガリエラ美術館はオートクチュール、デザイン画、写真、宝飾品など衣服に関わる豊富なコレクションを持っており、その数は20万点以上にも及ぶそう。
充実の展示品からは18世紀から現在までのモードの移り変わりを知ることができます。グランメゾンのフォトブックやデザイナーの著書などが揃うブックショップもおすすめ。
最後に
行ってみたい美術館は見つかりましたか?
今日紹介した美術館はどれもおすすめなので、興味を持った方はぜひ行ってみてくださいね。