ゴシック建築を代表する建物であるパリのノートルダム大聖堂。周辺の文化遺産とともに、「パリのセーヌ河岸」としてユネスコの世界遺産に登録されています。
ローマ・カトリック教会の大聖堂として建設されたノートルダム大聖堂は、現在もパリ大司教座聖堂として使用され、宗教的にも重要な役割を果たしています。
ノートルダム大聖堂の建築様式
ノートルダム大聖堂はゴシック建築の最高傑作ともいわれています。全体的にゴシック様式の建築ですが、ロマネスク様式の痕跡もところどころに見られます。
1163年着工・1345年完了であることから、この期間の初期に栄えていたロマネスク様式が見られるのも納得です。ロマネスク様式は、ファサードの一部や内保の柱の一部に見られます。
見どころ

外観
大聖堂でまず見てほしいのが、全体的に白っぽい色味であることから「白い貴婦人」とも呼ばれているその外観です。
そしてファサードの凝った彫刻もよく見てほしいところ。ファサードには3つの門があり、それぞれ「聖アンヌの門」「審判の門」「聖母の門」となっています。
門の上に並ぶ28体の彫刻群は「王のギャラリー」。これらはダビデ王の父エッサイからヨセフまでのイエスの祖先の彫刻です。しかし、フランス革命期にフランス王と誤解され、首が落とされる被害を受けてしまいます。
現在の彫刻は1800年代に修復されたものです。落とされた首はクリュニー美術館で見ることができます。
屋根には「キマイラ」(ガーゴイル)と呼ばれる怪物の形の排水口が。写真や映像でもよくクローズアップされるので見覚えのある人も多いのではないでしょうか。ノートルダム大聖堂のシンボル的な存在でもあります。
ステンドグラス
内部で注目なのが、3ヵ所にあるステンドグラスのバラ窓です。バラ窓は火災の際にも無事に生き残りました。日が差すと大聖堂内部にステンドグラスの鮮やかな色が映り込んでとても美しいですよ。
屋上に登ろう

大聖堂内部だけでなく、屋上からの眺めも必見です。
パリを一望できる名所といえば、エッフェル塔やモンパルナスタワーが人気ですが、ノートルダム大聖堂の屋上からの眺めも決して退けを取りません。
大聖堂外観に施された彫刻などの装飾を間近に見ることもできるので、ぜひ登ってみましょう。
入り口がわかりにくいので注意!
入り口は大聖堂正面左側の道に面したところにあります。入り口でセキュリティーチェックを受けたらチケットブースのある2階まで進みます。
ここからさらに屋上まで螺旋階段を登るわけですが、屋上までのアクセスはこの階段のみです。頑張りましょう。
※2024年12月現在、屋上の見学は再開されていません。
始まりの場所 、ポワン・ゼロ
ノートルダム大聖堂の前には、地図などで各地への距離を示すときの起点となる道路元標“ポワン・ゼロ”があります。
つまりパリからの距離というのはここ、ノートルダム大聖堂からの距離なわけですね。
“ポワン・ゼロ”ぜひ探してみてくださいね。
2019年の大規模火災

2019年4月に起きた大規模火災を覚えている方も多いのではないでしょうか。大聖堂からモクモクと上がる煙は、フランスのみならず世界中を悲しみに包みました。
火災発生当時は大聖堂周辺に多くのフランス人が集まり、祈りながら消火活動を見守りました。ニュースでも消火活動の様子が中継され、崩れていく大聖堂にテレビの前で多くの人が衝撃を受けました。
火災は大聖堂の上部で起こったため消火活動は難航、完全に消化したのは翌日になってから。大聖堂内には文化的にも価値のあるものが多く保管されており、それらの救出にも力が尽くされました。
この火災で尖塔部分と屋根が消失。修復作業は5年以上にも及びましたが、2025年12月ついに一般公開再開となりました。
入場方法・予約方法
ノートルダム大聖堂の見学は無料、公式サイトより予約可能です。予約なしでも見学可能ですが、入場待ちの列に並ばなければならない可能性大。できれば予約していくのがおすすめです。
\\\ 一般公開再開したノートルダム大聖堂の見学に行ってきたよ!///

【パリ】火災から5年、ノートルダム大聖堂が一般公開再開!予約方法をご紹介
- アドレス
- 6 Parvis Notre-Dame – Pl. Jean-Paul II, 75004 Paris
- 営業時間
- 月〜金曜日
- 7:45〜19:00(木曜日のみ22時まで)
- 土・日曜日
- 8:15〜19:30
- 休館日
- なし
- 入場料
- 無料
- 公式サイト
- ノートルダム大聖堂
- 最寄り駅
- ◇地下鉄4番線
- シテ(Cité)駅
ノートルダム大聖堂 / Cathédrale Notre-Dame de Paris
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