まるで街全てが美術館かのような美しい街並みのパリ。
エッフェル塔や凱旋門に代表されるモニュメントや、ルーヴル美術館など観光施設が多くあるパリですが、いったいどこが世界遺産に登録されているのでしょうか?
まず、パリで世界遺産に登録されているのは「パリのセーヌ河岸」の一つだけです。
セーヌ河岸にある建築物や橋など24箇所ががまとめて「パリのセーヌ河岸」として世界遺産に登録されているんです。
それではどんなものが含まれているのか見ていきましょう。
目次
1、ルーヴル宮殿(ルーヴル美術館)
まずはルーブル宮殿です。
ルーヴル宮殿って何?と思われるかもしれませんが、ルーブル宮殿とは現在のルーヴル美術館の建物のことです。
ルイ14世がヴェルサイユ宮殿に移り住む1682年まで、ルーヴル宮殿には歴代のフランス国王が暮らしました。その後、ルーヴル美術館として開館するのは1793年のことです。
ルーヴル美術館といえば「モナ・リザ」や「サモトラケのニケ」など数多くの有名作品を所蔵しており、パリの観光地としては欠かせない美術館です。
所蔵作品だけでなく建物自体も歴史があり、世界遺産に登録されるほど価値のあるものなんですね。
INFORMATION
公式サイト:Musée du Louvre
アドレス:Rue de Rivoli, 75001 Paris
2、チュイルリー庭園
こちらはルーヴル美術館に隣接するフランス式の美しい庭園です。
季節ごとに違った花が植えられ、定期的に剪定されるなど、丁寧に手入れされていることがよく分かる美しさです。庭園にはいたるところに彫刻が飾られ、まるでルーヴル美術館の延長の庭園美術館のよう。
天気のいい日はたくさんの人で賑わい、パリジャンの憩いの場となっています。
クリスマスにはクリマスマーケットが開かれたり、夏には移動遊園地が設置されるなど、季節のイベントにも欠かせない場所となっています。
ルーヴル美術館に行く際にはぜひ一緒に寄りたい公園です。
INFORMATION
Jardin des Tuileries
アドレス:Place de la Concorde, 75001 Paris
3、コンコルド広場
コンコルド広場はフランス革命時にルイ14世やマリー・アントワネットがギロチンによって処刑された場所として有名です。
凝った彫刻で装飾された噴水や、中心にはエジプトのルクソール神殿のオベリスクが置かれています。広場中央からは西側にまっすぐシャンゼリゼ通りと凱旋門を、遠くにはエッフェル塔を見ることができます。
街灯がたくさん並び、遮るものがなにもない広場は、夜になるとたくさんの光が溢れる美しい夜景スポットになります。
INFORMATION
Place de la Concorde
アドレス:Place de la Concorde, 75008 Paris
4、マドレーヌ寺院
1842年に完成した、ネオ・クラシック様式の教会です。
1764年に始まった教会建設は、フランス革命の勃発などにより中断されながら、100年以上をかけてやっと完成しました。
教会の周りはコリント式の高さ30mの52本もの柱で囲われており、古代ギリシャ・古代ローマの神殿を模した造りとなっています。
内部は自由に見学可能、定期的にコンサートなども開かれています。
INFORMATION
Église de la Madeleine
公式サイト:マドレーヌ寺院
アドレス:Place de la Madeleine, 75008 Paris
5、シャンゼリゼ通り
世界一美しい大通りともいわれるシャンゼリゼ通りも世界遺産の一つです。
夏は並木が鮮やかな緑の葉を揺らし、冬はクリスマスイルミネーションが輝き、季節ごとに美しい姿を見せてくれるシャンゼリゼ通り。両脇にはたくさんの有名ブランドショップやアパレルショップが並び、人気のショッピングスポットでもあります。
シャンゼリゼ通りといえば、その先にある凱旋門も外せないパリの観光地の一つですが、凱旋門は意外にも世界遺産には含まれていません。
INFORMATION
Avenue des Champs-Élysées
アドレス:Avenue des Champs-Élysées, 75008 Paris
6、グラン・パレ
1900年のパリ万博のために建てられたグラン・パレはファッションショーや見本市などが行われる大規模展示場と、美術館を兼ね備えています。
中央の大きなガラス屋根が特徴ですが、1993年にその一部が崩壊し、その後12年もかけて修復されました。ガラス屋根の下は「Le Nef」と呼ばれるスペースになっており、ここでパリ・コレのファッションショーなどが行われます。
美術館では年に数回の特別展が開催され、毎回行列ができるほどの人気。パリ旅行の際はどんな展示会が行われているのか、必ずチェックしたいところです。
2021年からは改修工事のために閉館しています。2024年のパリオリンピックと共にグランパレの一部が再オープンの予定です。
INFORMATION
公式サイト:グラン・パレ
アドレス:3 Av. du Général Eisenhower, 75008 Paris
7、プチ・パレ
グラン・パレの正面に立っているのがプチ・パレです。こちらもグラン・パレと同じくパリ万博のために作られた建物。
通常、美術館は展示品を太陽光や熱から守るために外光を遮った空間であることが多いですが、プチ・パレは大きな窓からたくさんの光が入る開放的な展示スペースになっているのが特徴的です。
プチ・パレの常設展は無料なので、時間がある方は立ち寄ってみましょう。無料とは思えないほど見応えがあります。
館内に併設されているカフェもおすすめです。中庭の緑を眺めながら静かな時間を過ごせます。
INFORMATION
公式サイト:プチ・パレ
アドレス:Av. Winston Churchill, 75008 Paris
8、パリ市庁舎
パリ市庁舎も世界遺産に含まれています。世界遺産の建物の中で働いているなんて、どんな気持ちなんでしょうか。
市庁舎内は一般には公開されていませんが、予約をすることで見学が可能です。予約は市庁舎に隣接する観光案内所で受け付けています。
また、一年に一度だけ「ヨーロッパ文化遺産の日」(Les Journées Européennes du Patrimoine)に内部が公開され、この日は誰でも無料で見学することができます。
内部は豪華な装飾が施された部屋がいくつもあり、想像以上に見応えがあります。ヨーロッパ文化遺産の日は9月第三週目の週末です。
INFORMATION
Hôtel de Ville
アドレス:Pl. de l’Hôtel de Ville, 75004 Paris
9、シャイヨー宮
トロカデロ広場に位置する、人権広場を挟んで両側に建つ湾曲した二つの建物がシャイヨー宮です。
真ん中の人権広場からは真正面にエッフェル塔が見え、人気のフォトスポットとなっています。パッシー側の建物には国立海洋博物館と人類博物館が、イエナ側の建物にはシテ建築遺産博物館が入っています。
シャイヨー宮の元となっているのは、16世紀後半にカトリーヌ・ド・メディシスのために建設されたシャイヨー城です。その後増改築を繰り返した後、1937年のパリ万博のために建物は取り壊され、現在のシャイヨー宮が建設されました。
INFORMATION
Palais de Chaillot
アドレス:1 Pl. du Trocadéro et du 11 Novembre, 75016 Paris
10、エッフェル塔
パリのシンボル、エッフェル塔も世界遺産の一つです。パリ観光では外せないスポットですね。
トロカデロ広場側から見るのとシャン・ド・マルス公園側から見るのとでは、また感じが変わるので、ぜひいろんな場所から写真を撮りましょう。
もちろん展望台に登るのも忘れずに。
INFORMATION
公式サイト:エッフェル塔
アドレス:Champ de Mars, 5 Av. Anatole France, 75007 Paris
11、シャン・ド・マルス公園
シャン・ド・マルス公園はエッフェル塔のふもとにある公園で、広さは24ヘクタールもあります。
公園からはエッフェル塔を真正面に見ることができます。晴れた日はピクニックやペタンクなどをする人々で賑わう、パリジャンにも観光客にも人気の公園です。
INFORMATION
Champ de Mars
アドレス:2 All. Adrienne Lecouvreur, 75007 Paris
12、エコール・ミリテール(陸軍士官学校)
エコール・ミリテールは旧陸軍士官学校です。ナポレオン・ボナパルトもこの軍学校に在籍していたそう。現在は軍関係の政府機関と士官養成所が入っています。
エコール・ミリテールはシャンド・マルス公園の南東側に立っており、公園を挟んでエッフェル塔を正面に見ることができます。
普段は見学などはできませんが、9月のヨーロッパ文化遺産の日には一般公開され、無料で見学することができます。
INFORMATION
École Militaire
アドレス:1 Pl. Joffre, 75007 Paris
13、アンヴァリッド
アンヴァリッドはもともと傷痍軍人の治療のために作られた病院です。
現在はその大部分が軍事博物館と軍事霊廟となっていますが、一部はまだ軍事病院としての機能を果たしています。
博物館にはナポレオンに関わるコレクションが豊富に展示されており、霊廟にはナポレオンの棺が置かれていることで有名です。
INFORMATION
公式サイト:Musée de l’Armée Invalides
アドレス:129 Rue de Grenelle, 75007 Paris
14、ブルボン宮殿
コンコルド広場からセーヌ川を渡ってすぐ正面にあるのがブルボン宮。ルイ14世の婚外子であるルイーズ・フランソワーズ・ド・ブルボンが6年の期間をかけて建設した贅沢な宮殿です。
フランス革命後の1795年から議会の建物として使用されるようになり、現在はフランスの下院にあたる国民議会が入っています。ちなみに上院にあたる元老院は、リュクサンブール公園の正面に立つリュクサンブール宮殿に入っています。
普段は一般には公開されていませんが、9月のヨーロッパ文化遺産の日には一般公開され、無料で見学ができます。
INFORMATION
Palais Bourbon
アドレス:126 Rue de l’Université, 75007 Paris
15、オルセー美術館
パリでルーヴル美術館に続いて二番目に人気の美術館です。
もともと駅舎だった建物を改装して作られた美術館で、いたるところにその名残が見えます。
主に印象派とポスト印象派の作品を展示していて、ピカソ、シスレー、モネ、ゴッホなど、多くの有名画家の絵を鑑賞できます。
パリ観光では欠かせない美術館の一つです。
INFORMATION
公式サイト:Musée d’Orsay
アドレス:1 Rue de la Légion d’Honneur, 75007 Paris
16、ポン・ヌフ
ポン・ヌフは現存するパリの橋の中でもっとも古い橋。セーヌ川に浮かぶシテ島を仲介してパリの右岸と左岸を結んでいます。
アーチ型の石造りの橋が時代を感じさる重厚な作りです。夜は街灯が灯り、ロマンチックな雰囲気に。奥に見えるシテ島の景色も橋をさらに素敵に見せ、人気のフォトスポットになっています。
INFORMATION
Pont Neuf
アドレス:75001 Paris
17、アレクサンドル三世橋
フランスとロシアの友好の証としてロシアのニコライ2世によって建設され、1900年のパリ万博の際に寄贈されました。
アール・ヌーヴォースタイルの街灯や、橋桁の装飾、両端に建てられた柱の上の黄金色の像など、パリで一番きらびやかな橋です。
INFORMATION
Pont Alexandre III
アドレス:Pont Alexandre III, 75008 Paris
18、ノートルダム大聖堂
パリの象徴ともいえるノートルダム大聖堂も、世界遺産に含まれています。
2019年の大規模火災がまだ記憶に新しいところですが、現在も火災による損害の修復作業が続いています。作業のため内部は見学できませんが、それでも大聖堂の前にはたくさんの観光客が外観だけでも眺めようと見学に訪れています。
INFORMATION
公式サイト:Notre-Dame de Paris
アドレス:6 Parvis Notre-Dame – Pl. Jean-Paul II, 75004 Paris
19、パレ・ド・ジュスティス(司法宮)
パレ・ド・ジュスティスは複数の司法機関が入る国の建物です。司法の最高峰である破毀院(日本でいう最高裁判所)や、その下のパリ控訴院などが置かれています。
セーヌ川に浮かぶ小さなシテ島の中で、その3分の1を占めるほどの広さを持っています。
INFORMATION
Palais de Justice de Paris
アドレス:10 Bd du Palais, 75001 Paris
20、サント・シャペル
サント・シャペルはパレ・ド・ジュスティスの一部で、その敷地内に建っています。ゴシック様式の傑作ともいわれる礼拝堂です。
教会は奥まったところにあるため通りからは見えず目立ちませんが、教会内部に入るとステンドグラスの美しさは息を飲むほどで、パリ観光でぜひ訪れたいスポットです。
ステンドグラスには聖書の場面が描かれています。
INFORMATION
アドレス:10 Bd du Palais, 75001 Paris
21、コンシェルジュリー
コンシェルジュリーもサント・シャペルと同じくパレ・ド・ジュスティスの一部であり、同じ敷地内に建っています。
もともとは王宮として建てられましたが、1370年からは牢獄として使われてきました。コンシェルジュリーは、フランス革命の際にマリー・アントワネットが投獄された場所として有名です。
現在、コンシェルジュリーの一部には司法機関が入っていますが、マリー・アントワネットが過ごした独房など残りの部分は見学可能です。
INFORMATION
アドレス:2 Bd du Palais, 75001 Paris
22、ランベール邸
ランベール邸はシテ島の隣、サン・ルイ島にある邸宅です。1640年に建築家フランソワ・ル・ヴォーによって、政治家クロード・デ・ブリオンのために建てられました。
円形を取り入れた建築と正面ファサード、通りからは見えませんがその庭はパリの建築物の中でももっとも美しいものの一つといわれています。内装はシャルル・ルブランとウスタシュ・ル・シュウールによって、5年もの歳月をかけて整えられました。
これまでにポーランド貴族や実業家、女優、ロスチャイルド家、元カタール首相などが居住した、歴史ある邸宅です。
INFORMATION
Hôtel Lambert
アドレス:2 Rue Saint-Louis en l’Île, 75004 Paris
23、ローザン邸
ランベール邸のすぐ近くに位置する邸宅で、こちらも手掛けたのはフランソワ・ル・ヴォー。正面ファサードに設置された、鉄製の美しい装飾が施されたバルコニーが特徴です。
1928年からはパリ市の所有となっており、映画の撮影などにも使用されてきました。
INFORMATION
Hôtel de Lauzun
アドレス:17 Quai d’Anjou, 75004 Paris
24、サン・ルイ・アン・リル教会
サン・ルイ島のメイン通りに位置する教会です。バロック式の建築様式で、内部は美しい装飾が施され荘厳な雰囲気が漂います。
教会では定期的にコンサートなども開催されています。
INFORMATION
Église Saint-Louis-en-l’Île
公式サイト:サン・ルイ・アン・リル教会